研究実績の概要 |
申請者は、がん細胞膜上の分子同士が特異的に会合体を形成する現象について以前より研究を進め、2つの細胞膜上分子の組み合わせで定義される新しいタイプのがん抗原「2分子会合体がん抗原」の同定および抗体医薬開発・がん診断への応用について報告してきた。 最近、数種の培養がん細胞を使用した2分子会合体がん抗原解析で、いくつかのがん種間で共通の会合体がん抗原候補が検出されるという興味深い事象が観察された。ここで観察された事象は、会合体がん抗原に特有の事象である可能性もあり、より詳細な研究が必要であると考えた。本研究では、少なくとも2-3種のがん種間で細胞膜上の有用な「2分子会合体共通がん抗原」の同定および有用性の検証を目指す。 2021年度は、ヒトがん培養細胞である、A549, MDA231, T98, HeLaS3, Panc1について検討した。EGFRの抗体を使用して、上記5種類の細胞共通にEGFRと会合体を形成する「2分子会合体共通がん抗原」をEMARS法で標識・精製した。
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