研究課題/領域番号 |
21K06566
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
倉田 里穂 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (70711729)
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研究分担者 |
米沢 朋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (60515964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | TRIM39R / I型IFN応答 / COVID-19 / hACE2 / hTMPRSS2 / SARS-CoV2-Luc |
研究実績の概要 |
2019年末、SARS-Cov-2(COVID-19)のパンデミックは、人類に対する衛生上および経済的な脅威であり、解決すべき重大な感染症である。従来のコロナウイルス感染と類似しているものの重篤な急性症状を引き起こし、その病態は未知であり、特異な機構があると考えられている。病態が不明なので、治療薬やワクチンの開発は未だに、難航している。極近年、COVID-19が感染を成立するために、宿主のI型インターフェロン(IFN)シグナルを抑制している特異性が判明した。この機構は、MERSやSARSなどの近縁のコロナウイルスには存在しない。我々は、TRIM39Rはウイルス防御においても重要なI型IFNの制御分子と考えている。そこで、本研究はCOVID-19感染の際に、TRIM39Rがウイルス防御能を惹起するかを検討することを目的とする。初年度は、エピソーマルベクターへCOVID-19のエントリー受容体であるhACE2およびhTMPRSS2をクローニングした。それぞれの細胞膜貫通ドメイン欠損体であるΔTMhACE2およびΔTMhTMPRSS2と、分泌型を狙ったExhACE2およびExhTMPRSS2を作成した。また、N末とC末にそれぞれV5-6xHisタグを着けた12個のコンストラクトを作製することができた。現在、培養細胞へ遺伝子導入しているところである。また、偽COVID-19ウイルス粒子の調整も行なっており、増殖生を欠損させたレンチウィルスをルシフェラーゼで検出できるベクターを構築し、ウイルスのパッケージングに必要なプラスミドおよびSタンパク質を発現するエンベロープベクターを用いてSARS-CoV2-Lucウィルス粒子を調整した。現在、偽ウイルスを用いた培養細胞での感染を定量する実験系を構築しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、エピソーマルベクターへCOVID-19のエントリー受容体であるhACE2およびhTMPRSS2をクローニングした。それぞれの細胞膜貫通ドメイン欠損体であるΔTMhACE2およびΔTMhTMPRSS2と、分泌型を狙ったExhACE2およびExhTMPRSS2を作成した。また、N末とC末にそれぞれV5-6xHisタグを着けた12個のコンストラクトを作製することができた。現在、HEK293TおよびVero細胞へ遺伝子導入し、薬剤体制マーカーで選択しているところである。また、偽COVID-19ウィルス粒子の調整も行なっており、増殖生を欠損させたレンチウィルスをルシフェラーゼで検出できるベクターを構築し、ウィルスのパッケージングに必要なプラスミドおよびSタンパク質を発現するエンベロープベクターを用いてSARS-CoV2-Lucウィルス粒子を調整した。現在、調整したSARS-CoV2-Lucを用いた培養細胞での感染を定量する高感度測定系を構築しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19のエントリー受容体であるhACE2およびhTMPRSS2を恒常的に発現する細胞株を取得し、調整したSARS-CoV2-Lucを感染させて、感染が成立した細胞のルシフェラーゼ活性を測定する。その際に、hACE2やhTMPRSS2抗体による感染阻害により、ルシフェラーゼ活性が減ずるかどうかも検証する。また、細胞膜貫通ドメイン欠損体であるΔTMhACE2およびΔTMhTMPRSS2と、分泌型を狙ったExhACE2およびExhTMPRSS2による感染阻害効果も検討し、拮抗感染防御剤としての可能性も模索する。感染測定系が樹立できたら、既に樹立済みのTRIM39R過剰発現系を導入し、各ドメイン欠損体を用いI型IFN応答惹起による感染防御作用を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果を学会で発表する予定であったため出張費を計上していたが、オンラインでの参加となり、交通費及び宿泊費がかからなかった。生じた次年度使用額は、論文掲載費に当てる予定である。
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