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2022 年度 実施状況報告書

パーキンソン病の新しいリスク遺伝子Midnolin(MIDN)の分子基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K06573
研究機関山形大学

研究代表者

小原 祐太郎  山形大学, 医学部, 教授 (40400270)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードパーキンソン病 / Midnolin (MIDN)
研究実績の概要

今年度は、新しい作用機序を有する抗パーキンソン病薬の開発を目的として、MIDN遺伝子の発現を上昇させる化合物を米国FDA承認済みの2334化合物を含むライブラリー中から探索した。ヒトMIDN遺伝子プロモーター(-150 bp ~ +125 bp)とホタルルシフェラーゼ遺伝子を連結させたDNAプラスミドをヒト神経細胞のモデルであるSH-SY5Y細胞にトランスフェクトし、化合物ライブラリー中の化合物で24時間程度刺激した後、細胞を可溶化してルシフェラーゼ活性をルミノメーターで測定した。その活性をMIDN遺伝子発現の指標とした。

一次スクリーニングを終えた段階で、ルシフェラーゼ活性を3倍以上上昇させた化合物を128個、4倍以上に上昇させたものを33個見出した。これらの化合物には、HDAC阻害薬、◯◯系抗生物質、△△系抗炎症薬、□□系消化性潰瘍薬、XX受容体アゴニストなどが含まれていた。現在は二次スクリーニングとして、これらの化合物が実際にMIDN遺伝子の発現を上昇させるかどうか、MIDN mRNAをRT-qPCR法で定量している最中である。

これらの化合物はFDAにより承認され、実臨床で使用されているものである。つまり、ドラッグリポジッショニングを目指した創薬研究そのものであり、従来から知られている薬物とは全く異なる作用機序を持つ抗パーキンソン病薬のシード化合物になる可能性があり、今後の発展性や応用性が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は精力的に研究活動を行う教員が赴任し、前年度に比べて研究計画に沿った実験が大きく進んだと思われる。

今後の研究の推進方策

今後については、化合物ライブラリーから見出したMIDN遺伝子を発現する化合物の作用機序の解明と、in vivoでの有効性を検討する。また、MIDN結合タンパク質が同定されつつあるので、その結合タンパク質との結合部位や機能に与える影響を調べていく。

次年度使用額が生じた理由

(理由)研究期間初年度に研究室の体制が大きく入れ替わり、そのために実験計画に遅延が生じた。今年度は大きく進展したが、初年度の影響を部分的に引きずっており、次年度使用額が生じている。

(使用計画)次年度には化合物スクリーニングで見出した治療薬の候補薬物の作用機序の解析を行い、繰越金を使用する。さらに、MIDN結合タンパク質の活性に与える影響を検討して、繰越金を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Structural Variants of Midnolin, a Genetic Risk Factor for Parkinson's Disease, in a Yamagata Cohort2023

    • 著者名/発表者名
      Hidenori Sato, Kuniaki Ishii, Yutaro Obara
    • 雑誌名

      Biol Pharm Bull

      巻: 46 ページ: 379-381

    • DOI

      10.1248/bpb.b22-00776

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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