研究課題/領域番号 |
21K06592
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
藤山 信弘 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (90603275)
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研究分担者 |
成田 伸太郎 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (40396552)
細道 一善 金沢大学, 医学系, 准教授 (50420948)
嘉島 相輝 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (50842952)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 泌尿器がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / HLA |
研究実績の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬の単剤治療奏効率はすべてのがん種で3割以下であり、ICIs併用による上乗せ効果も1割もない。しかしながら、ICIs治療が劇的に効く事例があることから、治療有効性・抵抗性に関する要因を把握し適切な薬剤選択につなげることが強く期待される。 本研究は日本人腎細胞がん(RCC)及び尿路上皮がん(UC)を対象に検討を進める。具体的な研究主題としては、①患者germline HLA-Class1遺伝子型やホモ接合体の有無によって、RCC/UCに対するICIs治療効果は異なるか?②RCC/UCにおける腫瘍HLAのLoss of Heterozygsity(LOH)は日本人でどのくらいあるか?③HLA-LOH患者におけるICIs治療効果はどのくらいか?④RCC/UCにおいてNK細胞はICIsの治療ターゲットとなりうるか?⑤RCC/UCにおいてKIRハプロタイプによるICIs治療有効への影響はあるか?の5つである。これらの検討から、宿主HLA型、腫瘍細胞のHLA環境が与える免疫チェックポイント阻害薬治療有効性/抵抗性との関連性を明らかにする。 本研究は多施設共同研究として進め、尿路上皮がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の治療有効性とGermline HLAの関連性を明らかにするための解析がおおむね完了した。HLA-A, B, Cw, DR, DQ及びDPのhomozygosity、HLA evolutionary divergence(HED)、allele、serotype、supertypeによる影響を評価した。109名を対象に解析したところ、homozygosityやHEDとの関連性は見られなかったが、いくつかのHLAクラスⅡ保有者において治療有効性に有意な偏りがあることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GermlineDNA及び腫瘍切片の収集、遺伝子解析、臨床データの収集を今後も継続する。
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今後の研究の推進方策 |
RCC患者における免疫チェックポイント阻害剤の治療有効性とGermline HLAの関連性を明らかにするために、HLA-A, B, Cw, DR, DQ及びDPのhomozygosity, HLA evolutionary divergence(HED)、allele, serotype, supertypeによる影響、KIR遺伝子の解析を現在進めている。また、RCC及びUCにおけるKIR遺伝子の解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、学会発表がリモートになったため旅費の使用がなかった。
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