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2021 年度 実施状況報告書

脂肪組織線維化の治療法開発を指向した核内受容体Nr4a1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K06599
研究機関静岡県立大学

研究代表者

山口 賢彦  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (00632639)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード脂肪組織 / 線維化 / 幹細胞 / 核内受容体
研究実績の概要

脂肪組織由来の幹細胞は自己複製能と多分化能をもつ間葉系幹細胞である。肥満の進行過程おいて脂肪組織由来幹細胞は脂肪細胞へ分化し、脂肪滴の貯蔵やアディポカインの分泌を行う。またコラーゲンやフィブロネクチンを産生し脂肪組織の線維化に寄与することも報告されている。しかし脂肪組織由来幹細胞の機能破綻と、生活習慣病などの発症リスクとの関連についてはほとんど理解されていない。これまでに当研究室では脂肪組織由来幹細胞の遺伝子発現を網羅的に解析し、nuclear receptor 4a1(Nr4a1)が高発現していること、Nr4a1の安定発現株では脂肪分化を抑制することを明らかにしている。そこで本研究では脂肪組織由来幹細胞選択的Nr4a1欠損マウス(Nr4a1-cKOマウス)を作成し、in vivoにおいてNr4a1が脂肪組織由来幹細胞の機能調節を介して、生理機能の恒常性維持や疾患発症に関連する可能性を調べることを目的とした。
【方法・結果】Nr4a1-cKOマウスにTamoxifenを25 μg/g/dayで6日間腹腔内投与することによりNr4a1欠損を誘導した。2週間の回復期間をおいた後、脂肪組織を採取しflow cytometry 法により脂肪組織由来幹細胞(PDGFRα (+)CD31(-)細胞)を分取した。Nr4a1の発現量をRT-qPCR法にて定量した結果、Nr4a1-cKOマウスにおいて約60%の減少が確認できた。次にNr4a1が肥満の進行や病態悪化に寄与するか検討するため、Nr4a1-cKOマウスに高脂肪食を8週間摂餌させた。Nr4a1-cKOマウスでは体重増加量が有意に減少した

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

肥満による脂肪組織の線維化に対して、間葉系幹細胞が寄与していることを示すことができた。さらに間葉系幹細胞に線維化促進シグナルを入力するとNr4aの発現が上昇すること、線維化関連因子の発現が増加する結果が得られた。しかしながら線維化促進シグナルに対してNr4a阻害剤が抑制的に働くかどうかは検証が進んでいない。

今後の研究の推進方策

線維化促進シグナルに対してNr4a阻害剤が抑制的に働くかどうかについては、コロナ等の影響により実験試料が足りず検証が進んでいなかったが、2022年度は状況が改善されつつあるので着実に行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] マウス脂肪組織の細胞集団解析による線維化調節因子の探索2021

    • 著者名/発表者名
      山口賢彦、鈴木一生、斎藤桜子、黒川洵子
    • 学会等名
      第67回 日本薬学会東海支部大会
  • [学会発表] 脂肪組織由来幹細胞に高発現するNr4a1の組織線維化に対する役割の解析2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木一生、斎藤桜子、山口賢彦、黒川洵子
    • 学会等名
      第145回日本薬理学会関東部会
  • [備考] 静岡県立大学薬学部生体情報分子解析学教室HP

    • URL

      https://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/rinsho/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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