研究課題/領域番号 |
21K06603
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小島 史章 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (30550545)
|
研究分担者 |
内田 治仁 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00550857)
坂本 信一 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (70422235)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | プロスタノイド |
研究実績の概要 |
本研究は、遺伝子改変マウスを用いてPGE2生合成系に起因する免疫系の制御に主眼をおいた乾癬の病態形成機構の解明を目的としている。昨年度までの組織学的な解析で、乾癬モデルマウスの病態にPGE2生合成系が寄与する可能性を示す結果を得ていた。本年度は乾癬の主症状である鱗屑と皮膚肥厚をスコア化することで病態を定量的に評価した。その結果、前年度の組織学的な解析結果と合致することを確認し、本疾患病態にPGE2生合成系が寄与する可能性が強く示唆された。また、主要な病変部位である皮膚におけるPGE2産生の大部分を特定のPGE合成酵素アイソザイムが担っていることも明らかとなった。更に、二次リンパ組織である脾臓において組織学的な変化が生じていることを見出しており、免疫系の関与について継続して解析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計画通り、乾癬モデルの病態形成におけるPGE2産生系の役割の有無を明確にすることができた。また、皮膚のPGE2産生系における特定のPGE合成酵素アイソザイムの関与を明確にすることができた。したがって、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
乾癬病態に対するPGE2生合成系の作用機序の詳細解明を目指して解析を継続して行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験系のスケールを可能な限り小さくすることにより試薬等の必要量を最小限にして解析を行うことができたため、当初の計画より節約して実験を行うことが可能であった。 購入予定であった各種抗体等を次年度で購入し、フローサイトメトリー法を用いた免疫系の解析を重点的に行う予定である。また、一部を学会における研究成果発表のための費用にあてる予定である。
|