本研究計画では,緑内障や網膜色素変性といった網膜変性疾患における網膜神経細胞死の進行に,網膜における炎症性反応が何らかの役割を果たしているとの仮説を立て,一連の研究を行った.一般的に炎症を惹起すると考えられているTLR9の刺激が緑内障モデルマウスにおける網膜神経細胞死を抑制すること,およびこの保護作用にはミュラー細胞由来のTNF-αが関与していることが明らかとなった.網膜色素変性モデルマウスにおいてもTLR9やカンナビノイドCB2受容体の刺激が視細胞の小胞体ストレスによる傷害に対して,弱いながらも保護作用を示すことが明らかとなった.
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