社会の高齢化が進み,健康寿命を保つことが重要である.線虫C.elegansは老化研究によく使われるモデル生物であり,ポリフェノール類が線虫の寿命を伸ばすという報告は多い.しかし,関与する遺伝子は必ずしも一致せず,さまざまな機構が想定される.この研究では,プロシアニジンが線虫の寿命を延長する際に,神経系を介することを初めて明らかにした.しかも,その作用は四量体以上のプロシアニジンに依存している.高重合度プロシアニジンの人への作用が近年着目されるようになったが,そのメカニズムは不明である.この研究で得た知見が,高重合度プロシアニジンが人の健康にどのように寄与するかの理解へつながることが期待される.
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