研究実績の概要 |
本年度は、前年度に実施したスクリーニングにより見出された活性を示したエキスのうち、ウコン、ヨツバヒヨドリ、ガンクビソウ、キササゲについて活性物質の取得を行なった。活性を指標に精製した結果、ウコンからは3種の物質を取得した。構造解析の結果、既知物質の(S)-tumerone、curlone、(E)-a-atlantoneと同定した。これらの活性評価の結果、2,000 cells/wellの細胞濃度において,(S)-tumeroneは12.5 ug/mL、curloneは3.125 ug/mL、(E)-α-atlantoneは6.25 ug/mLの濃度で活性を示した。20,000 cells/wellの細胞濃度ではいずれの化合物も活性は示さなかった。この原因として、試験時における濃度が足りなかったと推定している。しかしながら、いずれの物質もセスキテルペン類のため、エバポレーターで濃縮時に蒸発してしまい、今後の試験、開発には不向きな物質であると判断した。ヨツバヒヨドリからは1種の物質を取得した。構造解析の結果、既知物質のeupatoriopicrinと同定した。活性を評価した結果、20,000 cells/wellのときは50 ug/mLで、2,000 cells/wellのときは5.5および0.6 ug/mLの濃度で活性を示した。ガンクビソウからは4種の物質をそれぞれ活性物質として取得した。これらのうち、2種の物質については構造解析が終了しており、新規物質であることが分かっている。残りの物質については現在構造解析中である。キササゲからは現在数種の物質が得られており、今後構造解析および活性評価を行なっていく。
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