海苔の養殖はドリュー女史がその生活環を明らかにしたことで始まった。しかし、その生活環における世代交代のメカニズムや発現因子等については不明で、その後の技術開発が進まない要因の一つになってきた。特に、無性生殖サイクルにおいては、これまでも養殖技術への応用を念頭に様々な研究グープや自治体が注目してきたが、鍵となる単胞子への分化を誘導する条件や効果的な物質の特定には至っていない。したがって、本研究成果から得られた単胞子分化誘導物質と,それを利用したアサクサノリ単胞子の採苗、葉状体への培養などの研究成果は,学術的領域から実養殖まで広範囲に影響を与える社会的インパクトの高い成果である。
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