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2022 年度 実施状況報告書

Azone構造類似のイオン液体型アンテエンハンサー設計と薬物の経皮吸収促進効果

研究課題

研究課題/領域番号 21K06650
研究機関城西国際大学

研究代表者

押坂 勇志  城西国際大学, 薬学部, 助教 (80884030)

研究分担者 森 健二  城西国際大学, 薬学部, 教授 (60439023)
武井 千弥  城西国際大学, 薬学部, 助教 (70838466) [辞退]
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードIonic Liquid / chemical enhancer / skin permeation / skin irritation
研究実績の概要

経皮吸収促進効果が強いAzoneの構造類似イオン液体型アンテエンハンサーの設計Azoneと同等の皮膚透過促進効果もしくは、Azoneよりも劣るが皮膚透過促進効果があり、Azoneの皮膚刺激性が起こらない製剤開発として、イオン液体技術に着目した。製剤中もしくは皮膚に塗布後の角層上では、Azone構造類似イオン液体として存在し、角層に作用して皮膚透過促進効果が得られるが、Azone構造類似イオン液体が皮膚中に入ると皮膚に存在する水分で、イオン液体が解離され元の2種の化学物質に戻ることを期待して、Azone構造類似構造イオン液体の設計を行った。前年度においては、ε-カプロラクタムと飽和脂肪酸であるミリスチン酸の組合せでAzone構造類似イオン液体の作成が可能であり、硝酸イソソルビドにおいてAzoneの皮膚透過促進効果より弱い効果ではあったが、皮膚透過促進効果が得られた。本年度は、硝酸イソソルビドとは物理化学的性質の異なるアンチピリン(脂溶性が硝酸イソソルビドより高い)およびフルオレセインデキストラン-4(分子量が4000と大きい)に対するIL-Azoneの皮膚透過促進効果を調べた。その結果、皮膚透過させる化学物質の物理化学的性質によって、IL-Azoneの皮膚透過促進効果は異なることが示唆された。また、IL-Azoneの皮膚刺激性について試験した結果、Azoneよりも弱い刺激性となることが明らかとなった。さらに、IL-Azoneを溶媒に溶解させて、低濃度で皮膚刺激性試験を行った結果、ほぼ刺激性が無い結果であった。これらの結果から、皮膚刺激性を示す経皮吸収促進剤に対する構造類似イオン液体型アンテエンハンサーの設計は、皮膚刺激性が抑えられ、さらには経皮吸収促進効果も得られることから、新たな製剤設計に繋がると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

IL-Azoneの経皮吸収促進効果は、皮膚透過させたい化学物質の物理化学的性質によって異なることが明らかとなっただけでなく、Azoneの問題点であった皮膚刺激性についても評価できた。

今後の研究の推進方策

IL-Azoneを実用化する際には、IL-Azoneをいずれかの基剤に溶解させて使用する必要がある。一方で、IL-Azoneは、水が存在するとイオン液体が解消されてしまう可能性がある。そこで、IL-Azoneを各種基剤に含有させて、その皮膚透過促進効果を確認する。

次年度使用額が生じた理由

イオン液体技術を持ちいたante-enhancer(IL-Aozne)は、皮膚表面で透過促進効果を示してから、皮内に移行した際に皮膚刺激性を軽減させる目的で、水に触れると分解されるように設計されている。したがって、IL-Azoneを製剤化することを考えると、製剤中に水を含有させることができない。また、Azoneの研究において、Azoneの促進効果が得られるまでにかかる時間は約10時間と知られていることから、これまでの研究においては、16時間前処理した後にモデル薬物を適用している。しかし、前処理の方法は、実用的ではない。
そこで、次年度においては、IL-Azoneを含有させるのに最適な基剤の選定を行う。また、モデル薬物とAzoneもしくはIL-Azoneを同時適用し、それぞれの透過促進効果が得られる時間についても確認する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Design of an Ante-enhancer with an Azone-Mimic Structure using Ionic Liquid2023

    • 著者名/発表者名
      Oshizaka Takeshi、Hayakawa Mao、Uesaka Mayu、Yoshizawa Kota、Kamei Tomoyo、Takeuchi Issei、Mori Kenji、Itakura Shoko、Todo Hiroaki、Sugibayashi Kenji
    • 雑誌名

      Pharmaceutical Research

      巻: 未 ページ: 未

    • DOI

      10.1007/s11095-023-03515-y

    • 査読あり
  • [学会発表] イオン液体型ante-enhancerの薬物経皮吸収促進効果2023

    • 著者名/発表者名
      上坂 真由
    • 学会等名
      日本薬学会 第143年会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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