本検討で明らかとなった脳内におけるカルボニル化タンパク質分解機構の存在は、カルボニルストレスが関与する中枢系疾患の発症機序の解明に繋がる可能性がある。また、カルボニル化タンパク質分解機構の活性化剤は、カルボニルストレス性疾患の治療薬として有効であると思われる。本検討では統合失調症に注目した検討を行ったが、本検討結果は、カルボニルストレスが関与する末梢系の疾患に対しても新たな知見を与えるものである。また、本検討では、これまで明らかになっていない、未知のカルボニル化タンパク質消去機構の存在も示唆されたが、この分解機構を明らかにすることは、新たな内在的な抗カルボニルストレス機構の解明に繋がる。
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