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2021 年度 実施状況報告書

脂質分散製剤からの薬物経口吸収性を予測するための新規in vitro試験法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K06658
研究機関広島国際大学

研究代表者

田中 佑典  広島国際大学, 薬学部, 講師 (10435068)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード脂質分散製剤 / 消化管吸収 / 過飽和溶解 / 脂質消化 / BCS
研究実績の概要

脂質分散製剤(Lipid Based formulation: LBF)は難水溶解性薬物の消化管における溶解性/吸収性を改善する有用な手法の1つである。ヒト消化管吸収性を前臨床試験の段階で精度よく予測することは、効率的なLBFの開発を行う上で極めて重要である。2021年度は、モデル薬物としてシンナリジン(CNZ)を選択し、従来より利用されているin vitro消化試験により種々CNZ含有LBFの消化管内薬物溶解挙動を評価した。また、ラットを用いて各LBFの消化管吸収性についても評価を行った。
中鎖脂肪酸油脂を含むType IIIA-MCを豚パンクレアチンを用いて人工腸液中で消化させた場合、油脂は速やかに消化された。しかしながら、消化後もCNZは析出せず人工腸液中でほぼ完全に溶解していた。長鎖脂肪酸油脂を含むType II-LCでは、消化が遅く30分後においても70%の油脂が残存していた。またこの時、未消化の油脂中に大部分のCNZが分布していた。また、油脂を含まないType IVでは人工腸液の希釈により、50%程度CNZの析出が起こった。
各LBFをラットに経口投与した場合、Type IIIA-MCでは懸濁液(reference製剤)投与群と比較して、大幅に吸収が改善された。これはin vitro消化試験の結果から、CNZが消化管内で安定的に溶解していたためと考えられた。一方、Type II-LCでは、未消化の油脂中にRTVが分配しフリ-の薬物濃度が低下したため、吸収改善はType IIIA-MCと比較すると小さかった。また、Type IVではin vitro消化試験においてCNZの析出が認められたにもかかわらず吸収が改善した。これは、析出物が速やかに再溶解したためと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特にトラブルなど発生しなかったため、順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

薬物の膜透過過程を組み込んだin vitro消化試験法を構築しLBFからの薬物吸収性を予測する。そして、得られた結果を、in vivo薬物吸収性試験や従来のin vitro消化試験の結果と比較して、新規試験法の有用性を評価する。

次年度使用額が生じた理由

事前に購入していた試薬や消耗品が残っており、それを使用したため、若干、次年度使用額が生じた。今後は、新規in vitro消化試験法を構築しLBFからの薬物吸収性を予測する予定である。次年度使用額はラットおよびその他の消耗品、旅費に使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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