研究課題/領域番号 |
21K06662
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 貴明 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (30396676)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | L-FABP / 急性腎障害 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
現在、多くのがん化学療法にシスプラチン(CDDP)などのプラチナ系抗がん薬が用いられるが、投与患者の約1/3に用量制限因子となる急性腎障害(Acute Kidney Injury:AKI)を合併する。AKIは不可逆的な腎障害につながり、後の治療や予後に支障をきたす原因となる。よってAKIを未然に回避するためのバイオマーカーの実用化が急務である。そこで本研究では新たなバイオマーカーの候補としてL-FABP(Liver type fatty acid protein)に着目し、より早期の腎障害モニタリング法の開発を目指して着手した。 初年度であるR3年度はまず尿中L-FABPの取扱いについての注意点を明らかにするため安定性についての検討を実施した。まず、実際の患者検体を得た後の搬送、保管条件について検討するため、健常成人の尿を用いて尿サンプルを室温および保冷条件下に0~24時間置いた時の継時的なL-FABPの濃度変化を検討した。その結果、常温におけるL-FABPの安定性に懸念があると考えられ、尿検体について-80℃に保存することとした。 次に、患者検体について収集するため、主に食道がん患者を対象としてFP療法(シスプラチン+5FU)を施行する患者を抽出し尿検体および保険診療の範囲内で生じる血液残検体を入手した。コロナ禍による入院患者の調整や感染対策上の理由から検体採取に限界があり3症例程度からの採取にとどまっている。引き続き次年度以降も検体採取を継続して症例を蓄積し、研究を進めていく予定とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による臨床業務の増大および入院患者数の調整により対象となる患者が減少したため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き次年度以降も検体採取を継続して症例数を蓄積し、研究を進めていく予定とする。 これに関しては感染症の状況は受けるものの病棟側とも相談して少しでも多く検体確保をするよう対策を協議していく。 情報収集に向けた臨床薬学関連の国際および国内学会がWEB開催となり他の研究者から直接の議論等が行えなかった。そのような機会があれば研究のための情報収集にも積極的に取り組んでいく。 また、データがある程度確保されれば解析の後、学会発表等により公表することを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
測定するための検体収集状況が思わしくなく、測定試薬の購入額が予定を下回っている。次年度以降に同内容にて執行予定である。 また、情報収集のための旅費使用がなかったことも次年度使用額が生じた理由となった。
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