研究成果の概要 |
本研究では, 低分子化合物を用いて比較可能な肝機能障害モデル群を樹立することを目的とした。構築したモデルを用いて免疫細胞比率推定手法(Deconvolution法)のベンチマークデータセットを2種類構築し, Deconvolution法において組織特異性, 及び種差の考慮が重要であることを実証した。それぞれ国際誌NARGAB, 及びToxicol Sciに採択された。特にラットDeconvolution法のデータセットは世界初であり, Open TG-GATEsやDrugMatrixといったラットで取得されている大規模毒性データベースの利活用促進につながるものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では, 低分子化合物を用いて比較可能な肝機能障害モデル群を樹立することを目的とした。構築したモデルにより免疫細胞トラフィッキングの研究を推進すべく, 免疫細胞比率推定手法の二つの課題解決に取り組んだ。既存手法はヒト血液での検証が多く, 実質細胞など多様な細胞が混在する組織での性能評価の必要性は指摘されていたものの, 未解決であった。本研究は同課題に対して組織特異性考慮の重要性を明確に示している。昨今多く公共データベースには多くのトランスクリプトームデータが蓄積されている。本研究は適切なデータ取得とモデリングにより, これらより新たな知見を得ることが可能であることを示唆している。
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