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2021 年度 実施状況報告書

ファーマコゲノミクス検査の臨床普及を目指した臨床ゲノム薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K06665
研究機関京都大学

研究代表者

寺田 智祐  京都大学, 医学研究科, 教授 (10324641)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード個別医療 / ファーマコゲノミクス / 遺伝子多型 / 薬物動態
研究実績の概要

薬物代謝酵素や薬物トランスポータの遺伝子変異を解析することで、薬物の効果や副作用の予測を可能とするファーマコゲノミクス(PGx)検査は、Precision Medicineの実現に有効なツールである。既に本邦では、抗がん薬イリノテカンでのUDP-グルクロン酸転位酵素 (UGT1A1) や、免疫抑制薬アザチオプリンでのNudix hydrolase (NUDT) 15などの4薬剤とそれに対応する代謝酵素のPGx検査が保険収載され、日常診療として普及している。しかしながら、これまでに集積されてきた膨大な研究成果から見ると十分に臨床普及しているとは言い難い。
本研究では、PGx検査の臨床普及を目指し、滋賀医科大学医学部附属病院において電子カルテに実装されているPGx検査のデータベースを用いた後ろ向き臨床研究とそれによって得られた成果を発展させた前向き臨床研究を計画している。
初年度である2021年度はPGxデータベースを用いた後ろ向き研究に着手し、CYP2C19で代謝活性化を受ける抗血小板薬クロピドグレルとCYP2C19の関与が少ないとされるプラスグレルのPGx検査に基づく適正使用の可能性について、治療効果や副作用発現、さらには薬剤経済学的効果への影響を含めた解析を実施している。これまでの解析から、Clinical Pharmacogenetics Implementation Consortium (CPIC) のガイドライン遵守患者群と比較して、非遵守患者群では服用開始後1年間における心血管イベントの発生率が増加する可能性を見出した。現在、それらのイベントに対処するコストや薬剤コストの解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、データベースを活用した後ろ向き研究に着手できており、一定の成果が得られていることから、おおむね順調と考えられる。

今後の研究の推進方策

事前の研究計画に基づき、引き続きデータベースを活用した後ろ向き研究を展開するとともに、得られた成果を展開して前向き臨床研究に着手する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2021年3月に他の研究機関に異動し、異動先機関でのPGx検査体制構築に時間を要したことから、一部の測定試薬を2022年度に購入予定としたため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Exploratory analysis of target concentration of lenvatinib in the treatment of hepatocellular carcinoma2021

    • 著者名/発表者名
      Noda Satoshi、Iida Hiroya、Fujimoto Takehide、Wakasugi Yoshinori、Yabuta Naoki、Sudou Masatomo、Hira Daiki、Tani Masaji、Andoh Akira、Morita Shin-ya、Terada Tomohiro
    • 雑誌名

      Cancer Chemotherapy and Pharmacology

      巻: 88 ページ: 281~288

    • DOI

      10.1007/s00280-021-04286-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High incidence of major bleeding with off-label use of edoxaban2021

    • 著者名/発表者名
      Fukui Rika、Hira Daiki、Kunitsu Yuki、Isono Tetsuichiro、Tabuchi Yohei、Ikuno Yoshihiro、Ueshima Satoshi、Itoh Hideki、Tanaka Toshihiro、Terada Tomohiro
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition

      巻: 69 ページ: 311~316

    • DOI

      10.3164/jcbn.21-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リアルワールドデータとしてのPGx検査の活用2021

    • 著者名/発表者名
      寺田智祐, 森田真也
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2021/第29回クリニカルファーマシーシンポジウム,
    • 招待講演
  • [学会発表] ファーマコゲノミクス検査の臨床実装2021

    • 著者名/発表者名
      寺田智祐, 森田真也
    • 学会等名
      第31回日本医療薬学会年会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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