研究課題/領域番号 |
21K06673
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
有海 秀人 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 准教授 (70454874)
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研究分担者 |
臼井 健二 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 准教授 (70543792)
浜田 芳男 甲南大学, フロンティアサイエンス研究科, 特別研究員 (70424968)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 皮膚感作性試験 / DPRA法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、親水・疎水両溶媒になじむレジン樹脂に固定化したペプチドを用いることで、難水溶性物質のペプチド結合性試験を可能とし、被険物質と結合していないリジンのNH2残基に対してピクリン酸の指示薬を、システインのSH基に対してエルマン試薬の指示薬を組み合わせることで、分光法で検出が可能な極めて簡便な試験法の開発を目指すことである。 【2021年4月~2022年3月】高純度ペプチドビーズを用いた精油成分の皮膚感作性試験の実施 精油成分の被険物質(チモール、カルバクロール、オイゲノール)や陽性対照物質(ベンゾキノン)、陰性対照物質(イソプロパノール)を用いて、Lysペプチドを含む樹脂(0.5mg)と10mMピクリン酸を30分間反応させ、2%NaOHを加えてLys残基に結合したピクリン酸を吸光度で測定した(1)。次に皮膚感作性を有するシンナムアルデヒド、ハイドロキノン、オイゲノールとLysペプチドを含む樹脂を反応させた後、Lysペプチドと未反応のLys残基をピクリン酸で測定し(2)、吸光度の減少率((2)/(1)*100)を求めた。 シンナムアルデヒドおよびハイドロキノンをLysペプチドと反応させた後のピクリン酸の吸光度の減少率は5.9±22.8%、35.2±11.2%であった。また、オイゲノールと反応させた後のピクリン酸の吸光度は74.4±2.5%に減少したものの、シンナムアルデヒドやハイドロキノンのような減少率ではなかった。 従来の高速液体クロマトグラフィーを用いる、感作物質と結合したペプチドと未反応のペプチドを測定する方法とは異なり、本試験法は、96wellプレート上で感作性物質と未反応のLys残基をピクリン酸で定量できることが検証された。これらの情報を蓄積することにより、迅速かつ安価なアレルギー感作性試験代替法を提供することができると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進展しているが、新型コロナの感染状況等により、代表研究者、研究分担者の研究室ともに研究活動が一部、制約される期間があった。
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今後の研究の推進方策 |
【2022年4月~】水溶液中のDPRA法による難水溶性被険物質の検出を開始する。 難水溶性物質の皮膚感作性試験を行うに当たり、本研究方法である新規の測定方法が従来の研究方法(DPRA法)に比べて、簡便かつ最適である知見を収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染状況により研究活動が一部制限されたが、次年度予算に持ち越して使用する予定
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