研究課題/領域番号 |
21K06676
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
関 博志 杏林大学, 医学部, 准教授 (80348763)
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研究分担者 |
苅田 香苗 杏林大学, 医学部, 教授 (40224711)
近藤 一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50266623)
志賀 俊哉 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (50343596)
安田 和基 杏林大学, 医学部, 教授 (80311611)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | SGLT2阻害薬 / ケトアシドーシス / 周術期 / 副作用 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
合計759例のデータ収集を完了し、データ解析を行った。315例(41.5%)で、術後3日までの間に少なくとも1回尿ケトンが陽性となり、315例のうち281例 (89.2%)で血液ガス分析が行われた。そのうち3例で予め定義したSAPKA (Sodium-glucose cotransporter 2-associated postoperative ketoacidosis: SGLT2阻 害薬に関連した術後ケトアシドーシス)の基準を満たしたが、3例とも重炭酸の低下やアニオンギャップの上昇を認めず、二酸化炭素分圧の上昇のみを認めたこと から、ケトアシドーシスではなく、呼吸性アシドーシスであることが明らかとなった。従って、SGLT2阻害薬に関連した術後ケトアシドーシスの発生頻度は0% (95%信頼区間0.0-0.4%)と推定された。 本研究は、周術期のSGLT2阻害薬に関連した術後ケトアシドーシスの発生頻度を前向きに検討した世界初の大規模研究である。SGLT2阻害薬の処方量は世界的に急 増しており、今まで未知であった、本薬剤を服用している手術患者における術後のケトアシドーシスの発生頻度を明らかにしたことは極めて意義が大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
SGLT2阻害薬を服用している患者が想定以上に増加していたため、当初の予定よりも早く目標症例数を達成したものと考えている。また、研究に参加した機関が 非常に協力的であったことも大きな要因であったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果は論文として投稿し、Journal of Anesthesia誌に受理された。2024年3月17日にオンラインで早期公開 (Epub ahead of print) された。研究データの整理・まとめを行い、今後の更なる大規模研究に活かす準備を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今後の大規模研究に向けての資料作成などに要するため。
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