研究課題/領域番号 |
21K06678
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
井上 勝央 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50315892)
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研究分担者 |
樋口 慧 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (10625304)
岸本 久直 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (80723600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | トランスポーター / オロト酸 / 有機アニオン / SLC16A5/MCT6 |
研究実績の概要 |
昨年度(2021年度)にオーファンモノカルボン酸トランスポーターであるSLC16A5/MCT6がCD147と複合体を形成し、安定に細胞膜に局在化することにより、ピリミジン核酸の前駆体であるオロト酸を輸送することを見出した。そこで本年度は、MCT6-CD147複合体の輸送機能を明らかにすることを目的に以下の検討を行った。 ・MCT6-CD147一過性発現系細胞におけるオロト酸輸送に対する各種阻害剤の影響を検討した結果、MCT6の輸送は、アデノシンやチミンによる有意な阻害は認められなかった一方、有機アニオントランスポーターであるOATsやOATPsの基質や阻害剤などで顕著に阻害された。 ・オロト酸を輸送することに加え、有機アニオントランスポーターとの基質認識性の類似性が確認されたことから、各種有機アニオン性蛍光基質を用いて基質探索を行った結果、5-carboxyfluorescein(5-CF)がMCT6の良好な基質となることが示された。 ・MCT6介在性の5-CF輸送は、細胞外のClイオンの存在下において顕著に阻害されることが示された。さらに、そのClイオンの非存在下における輸送活性は、細胞外のpHの低下とともに増加したが、プロトノフォアであるFCCPの添加による輸送活性の低下は認められなかった。 以上の結果より、MCT6はClイオン感受性有機アニオントランスポーターであることが示され、その生理的役割は有機アニオンの分子形を基質として、Clイオン濃度の低い細胞質側で基質を認識し、細胞質から細胞外へ物質の排出輸送に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヌクレオシド前駆体の輸送を担うトランスポーターMCT6の輸送特性を明らかにすることができ、生理的役割の推定が可能となってきたため。
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今後の研究の推進方策 |
核酸や有機アニオンの排出輸送における役割を明らかにするために、上皮系細胞の単層培養系における経細胞輸送を評価するとともに、核酸系医薬品の吸収との接点を探索する。
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