研究課題/領域番号 |
21K06681
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
金城 俊彦 摂南大学, 薬学部, 助教 (70758599)
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研究分担者 |
倉本 展行 摂南大学, 薬学部, 教授 (60324092)
宇野 恭介 摂南大学, 薬学部, 講師 (30608774)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | apelin/APLNR / ALS / 翻訳後修飾 / 運動神経 |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、進行性に運動神経が脱落する疾患であるが、運動神経の生存にapelin/APLNRシステムが関与することを見出した。APLNRは、運動神経脱落に伴いそのタンパク量は減少することが確認されたが、生存している運動神経にはAPLNRが発現していることを明らかにした。そこで、APLNRが運動神経における脱落のメカニズムを詳細に検討することは、遺伝子治療など新たな治療法に応用することが可能ではないかと考えた。まず、ALSモデルマウスを用いた研究では、apelinを欠損させたALSマウスにAPLNRアゴニストを腹腔内投与した研究では、生存に有意な差が認められず脊髄でのタンパク発現にも影響を与えなかったことから、アゴニストが運動神経に届いていない可能性が考えられた。そこで、apelinを運動神経細胞体に逆行性に直接輸送することを考え、投与には至らなかったがアデノ随伴ウイルスベクターを設計し作製に成功した。次に、培養細胞を用いた検討においてAPLNRの機能発現には翻訳後修飾が必要となる可能性を提案した。これまでに、当受容体は、翻訳後修飾のうち糖鎖修飾を受けることが報告されているが、それが機能の発現に影響を与えるかについては知られていなかった。そこで当研究では、APLNRの機能発現を解明するために、分子生物学的および生化学的手法を用いて検討を行った。その結果として、APLNRは、糖鎖修飾だけではなく、さらにほかの複数の翻訳後修飾が関与することを明らかにした。また、機能発現には、糖鎖修飾ではないほかのものが関与することを明らかにした。これらのことから、運動神経でのAPLNRの発現減少には翻訳後修飾の変化が引き金となる可能性を見出した。これらの研究結果は、論文として2023年のAIMS Neuroscience誌に報告した。
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