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2023 年度 実施状況報告書

ビッグデータ解析と基礎研究を融合した慢性腎臓病の機序解明と新しい治療戦略開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K06682
研究機関徳島文理大学

研究代表者

堀ノ内 裕也  徳島文理大学, 薬学部, 講師 (30716593)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード慢性腎臓病
研究実績の概要

本研究では、これまでに片側尿管結紮誘導腎線維化モデルマウスとアデニン誘発慢性腎臓病モデルマウス(CKDマウス)を用いて、選択的PPARαモジュレーターであるペマフィブラート(胆汁排泄型薬剤)の腎保護効果を報告しました(Horinouchi Y et al. Life Sci. 2023)。
令和5年度は、新たな慢性腎臓病治療候補薬の探索を目的に、FAERS解析により既存薬から同定した治療候補薬の効果についてCKDマウスを用いて検討を行いました。まず、これまでの研究報告を基に治療候補薬の投与方法や投与量などを設定しました。次に、治療候補薬をマウスに投与して安全性を評価し、問題は認められませんでした。その後、CKDマウスを用いて、治療候補薬の効果を検討しました。CKDマウスは、アデニン(週3回、100mg/kg/回)を4週間腹腔内投与することで作製しました。治療候補薬は、経口投与針を用いて連日経口投与しました。CKDマウス腎臓において細胞外マトリックス(コラーゲン1、コラーゲン3、フィブロネクチン)の発現増加、炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α)の発現増加の抑制傾向が認められました。また、CKDマウス腎臓において線維化促進因子であるTGF-βの発現増加の抑制傾向も認められました。
慢性腎臓病の病態の中心である腎線維化の基盤には、慢性炎症が存在します。治療候補薬をCKDマウスに投与することで、腎臓における炎症抑制傾向が認められたことから、治療候補薬は抗炎症作用を発揮することで、腎保護効果を発揮することが示唆されました。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度は、FAERS解析から従来のフィブラート系薬剤(フェノフィブラート、ベザフィブラート)に関する有害事象報告において、腎機能低下などの有害事象の報告割合が有意に大きいことを明らかにし、またペマフィブラートは片側尿管結紮誘導腎線維化モデルマウスとCKDマウスにおいて腎保護効果を発揮することを確認し、研究成果を論文(Horinouchi Y et al. Life Sci. 2023)発表しました。
令和5年度は、新たな慢性腎臓病治療候補薬の探索を目的に、FAERS解析により既存薬から同定した治療候補薬の投与条件を検討後、CKDマウスにおいて腎保護効果を示唆するデータを得ることができました。
したがって、進捗状況をおおむね順調に進展していると判断いたしました。

今後の研究の推進方策

FAERS解析から同定した慢性腎臓病治療候補薬の腎保護効果が示唆されたので、再現性の確認を行うとともに、腎機能低下、腎線維化、電解質異常、貧血などに対する効果についても検討する予定です。

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公開日: 2024-12-25  

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