研究課題/領域番号 |
21K06685
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
赤嶺 由美子 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (10814387)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 抗精神病薬 / 代謝異常 / 血中濃度 / バイオマーカー / 遺伝子多型 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,抗精神病薬誘発性代謝異常に関して,薬物血中濃度と副作用(体重増加,脂質異常,耐糖能異常)との関連性,および代謝異常を引き起こす関連遺伝子を見出し,副作用発現に対するバイオマーカーを確立することである。 2021年度は治療抵抗性統合失調症治療薬であるクロザピンを中心に研究を遂行した。研究実施計画に基づき,高速液体クロマトグラフィー法を用いて,実臨床においてクロザピン服用患者の検体を定期的に収集し,血中濃度測定を実施した。また,併せて代謝関連タンパク質濃度としてPCSK9の濃度測定を実施した。続いて,同時に集積したDNA検体を用いて,代謝異常に関連する遺伝子多型の解析を実施した。得られたデータをもとにバイオマーカーとしての可能性について現在解析中である。さらに,クロザピン服用患者の臨床情報について収集を行い,クロザピン導入後6ヶ月,12ヶ月後の体重増加や耐糖能異常ならびに臨床検査値について解析を実施し,その影響について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,随時症例を追加しながら収集した検体に関して血中濃度測定・代謝関連タンパク質濃度測定,また関連する遺伝子多型について解析することができた。臨床情報の収集も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度と同様,随時検体を集積し解析を行う。解析したデータは中間報告として,成果を論文ならびに学会にて公表する予定である。さらに,解析する遺伝子多型を追加し,代謝関連タンパク質濃度に与える影響を明らかにする。 また,遺伝子多型と体重増加,脂質異常,耐糖能異常をはじめとした副作用発現との関連性について解析を行い,相関を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加のための旅費を予定していたが,新型コロナウイルスの影響により現地への学会参加が中止となり,使用額に差額が生じた。また,社会情勢により購入を予定した試薬が2021年度内の納入が困難となり,次年度へ繰り越しとなった。 本使用差額分は次年度の学会参加への旅費,また繰り越しとなっている試薬購入に使用する予定である。
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