輸送体BCRP/ABCG2とMRP3/ABCC3は、それぞれ肝の胆管、血管側細胞膜に発現し、肝から基質を排出する。これらは小腸や腎臓に発現し、肝での機能は不明であった。アデノ随伴ウイルス(AAV)でshRNAを肝に送達させ、肝BcrpまたはMrp3をノックダウンしたマウスを作製した。BcrpのノックダウンでBCRP基質のsulfasalazineの血漿中濃度は上昇し、Mrp3ノックダウンでMRP3の基質のacetaminophenグルクロン酸抱合体の肝から血液への排出が低下した。AAVを用いた肝選択的ノックダウンは、肝における輸送体の機能評価系として有用であることが示された。
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