研究課題/領域番号 |
21K06694
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
樋口 慧 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10625304)
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研究分担者 |
井上 勝央 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50315892)
岸本 久直 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80723600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オリゴペプチドトランスポーター / 側底膜 / 小腸上皮細胞 / トランスポーター |
研究実績の概要 |
本研究計画では、これまで申請者が見出した新規オリゴペプチドトランスポーター(EOPT1)とそのアイソフォームの機能と発現解析に取り組んできた。実際昨年度には、EOPT1だけでなく、そのアイソフォームであるEOPT2がオリゴペプチドやその構造類似体を輸送しうることを見出すことに成功していた。そこで今年度は、EOPTsの消化管上皮細胞における機能解析に取り組んだ。当初、特異的な阻害剤を用いた消化管投与実験(ラットおよびマウス)を予定していた。しかしEOPTsの阻害剤探索の結果、複数の化合物によりEOPT1およびEOPT2を阻害できることを確認したが、動物実験で使用できるほど高親和性阻害剤を同定できなかったため、消化管モデル細胞を用いたin vitro試験に変更した。テトラサイクリン誘導性EOPTs発現Caco-2細胞を用いて、方向性輸送に対するEOPTs発現の影響を評価した。その結果、EOPT1のオリゴペプチドやオリゴペプチド構造類似体の輸送に対する影響は検出できなかった。一方で、EOPT2はそれらの輸送に対して、頂端膜側から側底膜側への透過を顕著に促進することを示すことに成功した。またこれは頂端膜側からの取り込み量が増えたためでないことを確認するために、細胞内残存量を評価したところ、予想通り、EOPT2発現により顕著に減少していた。このことから、前年度の局在評価と合わせて考えると、EOPT2はCaco-2細胞の側底膜側において、オリゴペプチドやオリゴペプチド構造類似体を、細胞内から細胞外方向に輸送することができるトランスポーターであることを示唆している。また前年度計画の中で実施ができなかったタンパク質発現に関しては、計画期間の関係上抗体作成は断念し、別の市販抗体を用いて検討したが、特異性のある市販抗体を見出すことはできなかった。これらの成果は、既に国際誌に投稿済みである。
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