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2021 年度 実施状況報告書

尿を試料としたオミックス解析による腎移植後拒絶反応に対する早期診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K06712
研究機関九州大学

研究代表者

田島 壮一郎  九州大学, 大学病院, 薬剤師 (10579460)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード臨床薬理 / 腎移植 / エクソソーム / miRNA / 安全性バイオマーカー
研究実績の概要

腎移植術後における慢性拒絶反応は、移植腎の生着または廃絶に直接影響するため、早期発見に基づく治療介入が重要である。移植腎生検(プロトコル腎生検)は、臨床的症状や検査値に異常がない場合でも、拒絶反応の早期発見を目的として定期的に実施される。しかし、腎生検は侵襲性が非常に高く、大量出血や腹腔内臓器損傷などのリスクを伴うため患者や移植腎への負担も大きいのに加えて、拒絶反応と診断される割合は全体の20-25%程度である。すなわち、患者の安全性確保のためにも、非侵襲的な方法により拒絶反応を的確かつ早期に診断できる尿中バイオマーカーの開発が強く望まれている。
マイクロRNA(miRNA)は、細胞内に存在する1本短鎖RNAであり、塩基配列の相補性により標的遺伝子の翻訳・転写抑制を介して複数の遺伝子やタンパク質発現を同時に制御する。本研究では、腎移植術後における慢性拒絶反応の克服を目指し、尿中エクソソーム内miRNAの変動を指標として尿中バイオマーカーの探索を行った。腎移植患者より尿検体の回収を終え、腎移植後3カ月におけるプロトコル腎生検(病理組織診断)により、拒絶反応(T細胞関連型拒絶)ありと診断された群と拒絶反応なしと診断された群の2群に分け、術後3カ月における尿試料よりエクソソームを抽出し、エクソソーム内のmiRNAの発現についてアレイ解析を行いmiRNAの発現プロファイルを比較検討した。その結果、安全性バイオマーカー候補分子として特定のmiRNAが見出すことに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腎移植患者より尿検体の回収を終え、腎生検(病理組織診断)により拒絶反応(T細胞関連型拒絶)ありと診断された群と拒絶反応なしと診断された群の2群に分け、尿中エクソソーム内miRNAの発現をマイクロアレイ解析を行った。その結果、特定のmiRNAを見出すことに成功したため、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

マイクロアレイ解析から見出されたバイオマーカー候補分子について、マイクロアレイ解析に使用したサンプルとは別の尿試料を用いて、安全性バイオマーカーの有用性についてRT-PCR法で検討する。

次年度使用額が生じた理由

尿中エクソソーム内miRNAの解析が次年度に移行したため、試薬購入支出が予定よりも減少し、次年度使用額が生じた。当初の予定どおり試薬の購入費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The mTOR inhibitor everolimus attenuates tacrolimus-induced renal interstitial fibrosis in rats2022

    • 著者名/発表者名
      Shigematsu Tomohiro、Tajima Soichiro、Fu Rao、Zhang Mengyu、Itoyama Yuuka、Tsuchimoto Akihiro、Egashira Nobuaki、Ieiri Ichiro
    • 雑誌名

      Life Sciences

      巻: 288 ページ: 120150~120150

    • DOI

      10.1016/j.lfs.2021.120150

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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