研究課題/領域番号 |
21K06713
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
内田 信也 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80372522)
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研究分担者 |
田中 紫茉子 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (10559925)
小田切 圭一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70529213)
柏倉 康治 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (70746403)
乾 直輝 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80402254)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口内炎 / フォーム製剤 / 院内製剤 / 製剤学的評価 |
研究実績の概要 |
がん治療における口内炎は頻発する副作用であり、口内炎に対する予防及び治療は重要である。含嗽は口内炎の予防や治療はその有用性が期待される。本研究では、がん治療における口内炎の予防・治療を目的とした、含嗽用フォーム製剤の開発とその臨床効果の検証を目的とし、①含嗽用フォーム製剤の開発と特性の解明、および②含嗽用フォーム製剤の口内炎予防・治療効果の検証、について段階的に明らかにする。 本年度は、口内炎治療にエビデンスのあるベンジダミン(Ben)、デキサメタゾン(Dex)、アロプリノール(All)、レバミピド(Reb)及びポラプレジンク(Pol)を選択し、それらの薬物を含有する口内炎治療用フォーム製剤を、病院や地域薬局の調剤室で調製できるように院内製剤としての調製法について検討し、その製剤学的評価を行った。Ben, Dex, All及びReb原末を2%ないし4%のメチルセルロース(SM-4)溶液に加え、高圧蒸気滅菌(121℃、20分)後にポンプフォーマー容器(F7、大和製罐)に充填した。All錠(All-T)は粉砕し、4%SM-4溶液に加えた。Pol口腔内崩壊錠(Pol-OD)は4%SM-4溶液中で崩壊させた。その後、同様にポンプフォーマー容器に充填した。フォーム製剤の処方は、1回使用における薬物量が既報(ガイドライン、病院薬局製剤事例集)と同様になるよう決定した。なおPol-ODフォーム製剤では、クエン酸(0.6%)を添加した。製剤学的評価の結果、それぞれのフォーム製剤の特徴を明らかにすることができた。また各フォーム製剤はRebを含有する製剤を除き、日本薬局方の含量均一性試験に適合した。よって口内炎治療を目的とした薬物含有フォーム製剤を院内製剤として調製することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、がん治療における口内炎の予防・治療を目的とした含嗽用フォーム製剤についてそのプロトタイプの製剤を院内製剤として開発を行うことができた。さらにその製剤学的特徴を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、①開発した含嗽用フォーム製剤についての臨床使用を想定とした各種評価、および②抗がん剤投与患者を対象とした観察研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に開発した製剤はプロトタイプであるため、次年度以降に多数ロットで詳細な検討を計画している。
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