研究課題/領域番号 |
21K06715
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
多田 塁 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70635888)
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研究分担者 |
根岸 洋一 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50286978)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 核酸ワクチン / リポソーム / 超音波 / RNAワクチン / 感染症 / デリバリーシステム / 遺伝子導入 |
研究実績の概要 |
次世代ワクチンとして、煩雑な製造過程が無く短期間で大規模生産が可能なことから核酸ワクチンが注目されている。実際に、今回の新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックという状況下で初めて核酸ワクチンであるRNAワクチンが実用化された。申請者らは新たなRNAワクチンモダリティとして、申請者らの独自の遺伝子導入技術であるナノバブル技術を基盤とした新規RNAワクチンシステムの開発を本研究の目的としている。 【抗原発現mRNA搭載ナノバブルの筋肉内投与と超音波照射併用による抗原特異的抗体誘導法の構築】 初年度である2021年度はオボアルブミンをモデル抗原として、オボアルブミン発現mRNAをナノバブルともにマウス前脛骨筋へ局所投与後に超音波照射をおこなうことによりオボアルブミンに対する免疫応答を誘導可能かの検証を主におこなった。既存のRNAワクチンではmRNA含有量と副反応に相関性があることがいくつか報告されている。申請者らの超音波応答性ナノバブルを用いることでmRNA含有量を減らし、副反応の軽減が可能と考えた。そこで今年度の検討では、mRNAの投与量をどの程度削減出来るかを主眼に置いて検討した。現状、いくつかの低用量のmRNA投与量で検討をおこなったが、オボアルブミンに対する抗原特異的抗体産生誘導を確認することが出来なかった。この原因としてmRNAの投与量が少なすぎたためと考えているため、mRNAの投与幅を大きく振って2022年度に再度検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の目標として、超音波応答性ナノバブルとmRNAの局所投与によって抗原特異的抗体産生誘導を可能とすることを挙げていた。しかしながら、現状これを達成できていないことから、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
mRNA投与量の最適化を通じて、ナノバブルと超音波照射の併用によって抗原特異的抗体産生が誘導可能かを検証する。さらに、ポリプレックス複合体とナノバブルの局所投与によって抗原特異的抗体産生が増強可能か否かも併せて検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究計画がやや遅れているため、実験動物の購入数が少なかったことが原因で次年度使用額が生じた。 (使用計画) 次年度使用計画としては、実験動物を用いた検討が増え、それに伴いmRNAの購入あるいは作製量が増えるために予定通りに執行予定である。
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