消化管ホルモンであるコレシストキニン(CCK)は、迷走神経の求心性神経のCCK1受容体(CCK1R)を介して食後の摂食量減少に関与する。本研究は、マウス脳の迷走神経背側複合体(DVC)におけるCCK1Rの発現を詳細に検討した。CCK1Rの特異的な反応は、孤束核(NTS)と最後野(AP)に終末する迷走神経下神経節の中枢枝に多く認められた。また、NTSとAPにおけるCCK1R分布は、血管内に投与したエバンスブルー色素の拡散領域と重なっていた。以上の結果から、DVCのCCK1Rを介する神経活動は血液脳関門を欠くAPから拡散するホルモン性CCKによって制御されている可能性が示唆された。
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