| 研究課題/領域番号 |
21K06749
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| 研究機関 | 北海道医療大学 |
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研究代表者 |
柴田 俊一 北海道医療大学, 歯学部, 客員教授 (80187400)
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| 研究分担者 |
武智 正樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10455355)
入江 一元 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70223352)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | ニワトリ / 一次顎関節 / 二次軟骨 / 方形骨 / 関節骨 / 鱗状骨 / 翼状骨 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は昨年度確認した関節骨－方形骨関節、およびそれに関連する諸関節と関連して出現する二次軟骨の構造上の特徴に関して検索した。孵卵11日－18日の頭部を摘出し、パラフィン包埋を行い各断面の切片を作成し、細胞外基質に関する免疫組織学的検索を行った。また各二次軟骨の超微細構造を検索するため透過電子顕微鏡 (TEM) による観察も行った。観察対象は関節骨－方形骨関節に関連する上角骨の二次軟骨（ASC)、方形骨－鱗状骨関節に関連する鱗状骨の二次軟骨 (SSC)、および翼状骨前方で頭蓋底との関節に関連する前方翼状骨二次軟骨 (APSC) である。また対象として一次軟骨である方形骨軟骨の観察もおこなった。免疫染色の対象とした細胞外基質分子は タイプI, II, Xコラーゲン、アグリカン、バーシカン、ヒアルロン酸 (HA)、リンクプロテイン、テネイシンCである
一次軟骨である方形骨軟骨では哺乳類の長骨とほぼ同様の発現パターンが観察された。すなわちタイプI コラーゲンは骨膜、タイプII コラーゲン、リンクプロテイン、HA、アグリカン、バーシカンは軟骨基質に、タイプXコラーゲンは肥大細胞層に発現がみとめられた。テネイシンCは軟骨周辺部のほか骨端部では内部の基質にも反応が認められた。二次軟骨であるASC、SSCでは対象とした全ての分子が軟骨基質内に同時に認められた。この結果は二次軟骨は線維軟骨の性質を持つこと、肥大軟骨細胞への分化が急速に行われることを示している。これは哺乳類における二次軟骨と同様の特徴である。しかしながら、二次軟骨でもAPSCはタイプXコラーゲンが認められず、アグリカン。バーシカンの発現が弱いという他の二次軟骨とは異なった特徴が認められた。このような特徴を持つ二次軟骨は哺乳類には認められないものである。観察結果は学会発表を行い、論文も作成し受理されたところである。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Covid-19の影響も薄れたため、本年度の解析は相当な進捗を見せた。一次顎関節を構成する関節骨－方形骨関節、およびそれに関連する諸関節と関連して出現する様々な二次軟骨の構造上の特徴に関して検索した結果、新知見が得られ学会発表と論文作成を行い、現在改訂中で程なく受理される見通しとなっている。
また本年度の検索は主に免疫組織科学とTEMによる検索であったが、さらに細胞外基質成分の遺伝子発現を検察する in situ hybridization 法についても予備実験を進め、実際に実行可能であることを確認している。さらに関節骨－方形骨関節には半月が存在することが明らかになり、その構造上の特徴を二次顎関節であるラット顎関節と比較しながら検索する実験系もスタートした。。
以上のことから研究はおおむね順調に進展し次年度の大きな進捗が期待できると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本年度の実験で関節構造に関連して出現する各種二次軟骨の免疫組織学的検索を行ったところ、これらを構成する細胞外基質分子の局在パターンが明らかとなり一次軟骨と比較した構造上の特徴が明らかとなった。次年度は各軟骨形成過程における遺伝子発現を検索する目的で in situ hybridization 法を行う計画を立て、すでに バーシカン、アグリカン、タイプI, II, Xコラーゲンさらには骨形成に関連するBSP、オステオポンチン、DMP-1、MEPEの各プローブを用意し、予備実験の結果実際に解析が遂行可能であることを確認している。この結果をもとにして一次軟骨である方形骨と比較して各二次軟骨、特に他と異なった特徴を持つ前方翼状骨の二次軟骨に注目して検索を進める予定である。
また、予備実験の結果、関節骨－方形骨関節には半月が存在することが明らかになり、同じニワトリの膝関節半月、さらには二次顎関節であるラット顎関節に存在する関節円板と比較しながらその構造上の特徴を明らかにする。実際には連続切片と三次元構築モデルを作成して立体的な構造を明らかにするとともに、孵卵後期で半月に軟骨組織が出現することも判明したため、その構造上の特徴を免疫組織化学と in situ hybridization 法で検索する実験も遂行する予定となっている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は前年度で購入した試薬類に余裕が生じたことと講座研究費と他の研究費で物品購入費をカバーできたため次年度使用額が生じた。次年度は一次顎関節とくに半月と靭帯に関連する構造物に関連する構造解析、具体的には各構造物の三次元構築モデルの作成と、細胞外基質成分に関する免疫組織化学、in situ hybridization および透過電子顕微鏡による超微細構造の解析を計画している。
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