• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

真皮マクロファージにおける新規の炎症疼痛制御因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K06758
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

和中 明生  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)

研究分担者 石西 綾美  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10836018)
辰巳 晃子  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90208033)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードマクロファージ / SNX25 / 骨髄移植 / vonFrey テスト / 神経因性疼痛 / コンディショナルKO / 真皮
研究実績の概要

本年度はCx3cr1-CreERT;SNX25-floxed マウスでTamoxifenを食餌中に混入させることで組み替えを誘導し、モノサイトーマクロファージ系細胞でSNX25をConditional KOしたマウスで vonFreyテストを行い、Tamoxifenを投与していないコントロールマウス、或いはSNX25-floxedマウスにおいて同様のvonFrey
テストを行い、機械的刺激に対する感受性を比較検討した。Conditional KOマウスにおいて特異的にvonFreyテストにおける刺激逃避閾値が上昇していることが判明し、SNX25が疼痛関連因子であることを確認した。さらにこのConditional KOマウスでは中枢神経内のミクログリアも同時にKOされているので、このことを回避するために、Cx3cr1-CreERT;SNX25-floxedマウスから骨髄細胞を抽出、ブスルファンを用いてあらかじめ骨髄抑制しておいたSNX25-floxedマウスの骨髄に細胞を移植した。血液中の骨髄細胞の置換をFacsで確認した後にTamoxifenを経口投与したところ、上記のConditional KOとほぼ同じく機械的刺激に対する感受性が鈍化していた。骨髄移植実験自体のコントロールとして野生型マウスの骨髄を野生型マウスに移植しても感受性の鈍化は認められなかった。この事実は移植した骨髄細胞が末梢真皮にマクロファージとして生着し、SNX25を介した機械的刺激に対する感受性を調節していることをしさしている。
さらに上記Conditional KOマウスにおいて神経因性疼痛を惹起させた。コントロールであるSNX25-floxedマウスでは1週間にわたり機械的刺激に対する過敏行動が認められたが、Conditional KOマウスではこのような有意な疼痛過敏は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初目的としていた骨髄移植による実験が成功し、脊髄ミクログリアの効果を切り離すことが出来た。また神経因性疼痛においてもSNX25が貢献していることを証明できたので全体的に実験は順調に進んでいると判断している。

今後の研究の推進方策

SNX25がマクロファージ内で機能して、末梢感覚神経に何らかの働きかけをしていることはほぼ間違いが無いと考えられる。今後SNX25の細胞内情報伝達と末梢神経感覚との関係を詰めていきたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Olig2-astrocytes express neutral amino acid transporter SLC7A10 (Asc-1) in the adult brain2021

    • 著者名/発表者名
      Tatsumi Kouko、Kinugawa Kaoru、Isonishi Ayami、Kitabatake Masahiro、Okuda Hiroaki、Takemura Shoko、Tanaka Tatsuhide、Mori Eiichiro、Wanaka Akio
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 14 ページ: ー

    • DOI

      10.1186/s13041-021-00874-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Gene Expression Profiles of Human Cerebral Organoids Identify PPAR Pathway and PKM2 as Key Markers for Oxygen-Glucose Deprivation and Reoxygenation2021

    • 著者名/発表者名
      Iwasa N、Matsui T、Iguchi N、Kinugawa K、Morikawa N、Sakaguchi Y、Shiota T、Kobashigawa S、Nakanishi M、Matsubayashi M、Nagata R、Kikuchi S、Tanaka T、Eura N、Kiriyama T、Izumi T、Saito K、Kataoka T、Saito Y、Kimura W、Wanaka A、Nishimura Y、Mori E、Sugie K
    • 雑誌名

      Frontiers in Cellular Neuroscience

      巻: 15 ページ: ー

    • DOI

      10.3389/fncel.2021.605030

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Large‐scale electron microscopic volume imaging of interfascicular oligodendrocytes in the mouse corpus callosum2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Tatsuhide、Ohno Nobuhiko、Osanai Yasuyuki、Saitoh Sei、Thai Truc Quynh、Nishimura Kazuya、Shinjo Takeaki、Takemura Shoko、Tatsumi Kouko、Wanaka Akio
    • 雑誌名

      Glia

      巻: 69 ページ: 2488~2502

    • DOI

      10.1002/glia.24055

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SNX25 regulates proinflammatory cytokine expression via the NF-κB signal in macrophages2021

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Kazuya、Tanaka Tatsuhide、Takemura Shoko、Tatsumi Kouko、Wanaka Akio
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 16 ページ: e0247840

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0247840

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 皮膚マクロファージは NGF レベルを調節することで痛覚を制御する2022

    • 著者名/発表者名
      田中 達英、和中 明生
    • 学会等名
      第127回日本解剖学会総会、全国学術集会
  • [学会発表] 「脳の窓」脳室周囲器官を介した脳と全身の情報交換機構2021

    • 著者名/発表者名
      竹村 晶子、石西 綾美、田中 達英、辰巳 晃子、和中 明生
    • 学会等名
      第64回日本神経化学会大会
  • [学会発表] 淡蒼球におけるアストロサイトの多様性と運動刺激に対する形態変化について2021

    • 著者名/発表者名
      辰巳 晃子,絹川 薫,石西 綾美,奥田 洋明,竹村 晶子,田中 達英,和中 明生
    • 学会等名
      第64回日本神経化学会大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi