研究課題/領域番号 |
21K06770
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
篠原 徹二 大分大学, 医学部, 助教 (60457629)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 洞房結節 / 心外膜脂肪 |
研究実績の概要 |
心外膜脂肪組織は心房細動などのリズム異常に関与していることがすでに報告されている①。一方、心房細動患者では洞結節機能が低下していることがすでに多く報告されている。我々の施設では、心房細動患者における自律神経反射について臨床研究を行っており、薬物負荷に反応した洞調律時心拍数の変化が心房細動の再発およびカテーテルアブレーション手術の成功率に関与していることを2022年3月に第86回日本循環器学会学術集会において報告した。我々は、これらにことを踏まえて、心外膜脂肪組織が洞房結節細胞組織の線維化を介して洞不全症候群の発症に関与するメカニズムについて研究している。現在、下記のように進行中である。 (1)当院心臓血管外科手術時に採取することができた心外膜脂肪組織と心房心筋組織の組織標本をそれぞれMasson's Trichrome染色および各種免疫染色を行って評価している。(2)標本採取できたケースをそれぞれの臨床的背景を元にしたデータベースを構築中である。(3)今後、肥満モデルラットを用いた実験システムを構築して、心外膜脂肪組織と洞結節組織に関する機能解析を行っていく方針である。現在、その前段階の実験として器官培養システムを用いた実験を進行中である。 ①Abe I, Shinohara T, et al. Association of fibrotic remodeling and cytokines/chemokines content in epicardial adipose tissue with atrial myocardial fibrosis in patients with atrial fibrillation. Heart Rhythm. 2018;15:1717-1727.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心外膜脂肪が洞結節障害を誘導するメカニズムの解明において、心房筋の線維化の関与を明らかにしつつある。そして、実験振興のためのサンプル採取も順調に行えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで解明できたことをさらに進めていく。具体的には、我々は以前糖尿病マウスにおいて洞結節障害が起こり、このことにインターロイキン10が関与していることをすでに報告しているので(①)、このことで得られた知見を利用して、目的とする研究を進めていく。 ①Kondo H, Shinohara T, et al. Interleukin 10 Treatment Ameliorates High-Fat Diet-Induced Inflammatory Atrial Remodeling and Fibrillation. Circ Arrhythm Electrophysiol. 2018;11:e006040.
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