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2021 年度 実施状況報告書

青斑核の活動可視化によるアルツハイマー病の初期病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K06798
研究機関東京大学

研究代表者

関谷 敬  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (40511374)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードノルアドレナリン / 青斑核 / 大脳皮質
研究実績の概要

アルツハイマー型認知症は、脳内における異常タンパク質の蓄積とともに、大脳皮質や海馬による情報処理に破綻をきたす病態である。社会の高齢化に伴い、社会的な重要度の高い疾患である。アルツハイマー病を含む認知症などの情報処理に関わる病態では、発症後からの治療では、情報処理回路を元の状態に戻すことは非常に困難である。そのため、認知症の発症を予測し、早期に診断することが望まれる。そこで、本研究では、これらの大脳皮質や海馬といった脳部位に軸索を投射している神経核であるノルアドレナリン神経核に注目し、アルツハイマー型認知症において、大脳皮質や海馬における神経細胞死に先行しておこる、ノルアドレナリン神経核の機能低下をとらえることを目的とし、ノルアドレナリン作動性神経と、その作用先である大脳皮質神経活動および血流動態に注目して、病態解析を行う。ノルアドレナリン神経の活動や、大脳皮質における神経活動や血流動態は、2光子励起顕微鏡による蛍光イメージングにより非侵襲かつ長時間に渡り捉えることで、認知症発症前の病態解明に取り組む。
当該年度では、大脳皮質視覚野におけるノルアドレナリン神経核の2光子カルシウムイメージングに取り組んだ。一次視覚野および高次視覚野にまたがる広範囲かつ詳細なイメージングを行うため、Bessel Beamを用いた高速ボリュームイメージングや、広視野対物レンズを用いた広範囲高解像度イメージングなどに取り組んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の申請計画に基づき、ノルアドレナリン神経核である青斑核の活動を、遺伝子改変マウスを用いたカルシウムイメージングにより捉える、可視化法の確立に取り組んだ。また、大脳皮質における神経活動との機能解析を行うため、大脳皮質視覚野における詳細な神経活動イメージングも行った。これらの解析をアルツハイマー病モデルマウスへ応用し、認知症発症前の病態解明につなげたい。

今後の研究の推進方策

今後は、当初の申請計画に基づき、大脳皮質の血流動態の可視化と合わせ、アルツハイマー病のモデルマウスにおいて、ノルアドレナリン神経核の活動と、大脳皮質の神経活動との機能解析を行う。これらの解析を、経齢的に行うことで、マウスの月齢とともに進行する病態との関連を解析し、アルツハイマー病における認知症発症前の病態解明を行うとともに、早期診断法の開発を目指す。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染症拡大に伴い、動物飼育計画に変更が出たため、一部実験を来年度に先送りした。次年度は、これらの実験にも取り組む計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] In vivo Fluorescence Imaging of Extracellular ATP in the Mouse Cerebral Cortex with a Hybrid-type Optical Sensor2021

    • 著者名/発表者名
      Nami Kitajima, Kenji Takikawa, Hiroshi Sekiya, Daisuke Asanuma, Hirokazu Sakamoto, Shigeyuki Namiki, Masamitsu Iino, Kenzo Hirose
    • 雑誌名

      Bio Protoc.

      巻: 11(11) ページ: e4046

    • DOI

      10.21769/BioProtoc.4046

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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