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2023 年度 実績報告書

炎症性サイトカインIL-1を起点とする新規シグナル軸の解明と線維化・がんとの関連

研究課題

研究課題/領域番号 21K06830
研究機関産業医科大学

研究代表者

日笠 弘基  産業医科大学, 医学部, 准教授 (40596839)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード炎症病態モデルマウス / IL1-IRAK1-β-カテニン シグナル軸 / 体細胞変異体
研究実績の概要

慢性炎症は線維化・がん化の大きなリスクファクターであるが、その分子機序は不明であり、有用な慢性炎症関連病態モデルマウスは非常に少ない。故に引き金となる鍵分子の同定とそれを利用したモデルマウスの樹立は急務である。申請者は炎症性サイトカインIL-1に応答して、下流のキナーゼIRAK1が従来のNFκB経路だけでなく、線維化やがん化に密接に関与するβ-カテニンを活性化することを見出し、そのシグナル軸の分子経路の解明に取り組んだ。その結果、ヒトIRAK1によるWnt経路の活性化には分子内に存在するヒト特異的な配列であるPPPSPモチーフが必要だということを明らかにした。しかしながら、PPPSPモチーフは類人猿にしか存在せず、マウスIRAK1はNFκB経路の活性のみで、Wnt活性化能は持たないので、ヒトIRAK1を生体内で解析するには、その特有の機能をマウス内に導入する必要があった。そこで、①ゲノム内のマウスIrak1をアミノ酸置換したマウス(ヒト化マウス)と、②組織特異的ヒトIRAK1発現トランスジェニックマウス(ヒトIRAK1-Tgマウス)を作製して成功し、その解析に取り組んだ。肺組織的ヒトIRAK1-Tgマウスについては、ヒトIRAK1が急性の重篤な肺炎を引き起こすことを見出し、肝臓組織的ヒトIRAK1-Tgマウスは交配が終わり、タモキシフェンの投与を開始し表現型解析を開始した。また、データベースで検索すると、種々のがんにおいて多様なIRAK1の体細胞変異があることが明らかとなったので、顕著な点変異に関して、NFκBならびにβ-カテニンの活性化能を野生型IRAK1と比較し、より強い活性を持つ変異体を同定した。そして、それを元にした変異型ヒトIRAK1発現トランスジェニックマウスの作成にも成功し、今後野生型IRAK1と表原型を比較していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [国際共同研究] マウント・サイナイ・アイカーン医科大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      マウント・サイナイ・アイカーン医科大学
  • [学会発表] IL-1受容体経路因子であるヒトIRAK1のβ-カテニン活性化能は、ヒト特異的モチーフに依存する。2023

    • 著者名/発表者名
      日笠弘基、三村恭弘、乾 雅子、大坪孝平、平良眞規
    • 学会等名
      第46回日本生物学会
  • [学会発表] TLR/IL-1R経路構成因子ヒトIRAK1のマウス肺特異的過剰発現の影響解析2023

    • 著者名/発表者名
      三村 恭弘、大坪 孝平、平良 眞規、日笠 弘基
    • 学会等名
      第96回生化学学会
  • [備考] 産業医科大学 生化学 研究内容

    • URL

      https://www.uoeh-u.ac.jp/medicine/seika/kenkyu.html

  • [産業財産権] Wnt/β-カテニン経路の活性化亢進作用を有するタンパク質2021

    • 発明者名
      日笠弘基、三村恭弘、乾雅子
    • 権利者名
      日笠弘基、三村恭弘、乾雅子
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      7429413

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公開日: 2024-12-25  

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