研究課題/領域番号 |
21K06832
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
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研究分担者 |
南嶋 洋司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20593966)
川端 麗香 群馬大学, 未来先端研究機構, 講師 (90721928)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生理活性脂質 / S1P / 炎症 / 近接ラベル化法 |
研究実績の概要 |
本研究では、HDLに結合して血中を循環する生理活性脂質スフィンゴシン1リン酸(S1P)と、血管内皮細胞に発現する受容体S1P1による血管の炎症抑制作用に着目して研究を行っている。本来は、血管内皮細胞の表面に局在し、炎症抑制に働くS1P1受容体が、血管分岐部や湾曲部など血流が乱流と化している血管部位では内在化していることなどから、S1Pの炎症抑制シグナルが乱流下では受容体内在化により途絶するため炎症亢進につながる可能性が考えられる。この可能性を検証するために、(1)S1P1受容体の局在制御機構、(2)S1P1受容体の内在化と炎症亢進の因果関係、の解明を目的としている。 2021年度は、S1P1受容体の内皮細胞における細胞表面への局在制御機構を明らかにするために、S1P1受容体と相互作用してS1P1受容体を細胞表面に維持する役割を担うタンパク質の同定を近接ラベル化法および質量分析計によるプロテオーム解析により試みた。その結果、RNA干渉法による発現抑制によりS1P1受容体の細胞内への内在化が引き起こされる候補タンパク質の同定に至った。 2022年度は、候補タンパク質によるS1P1受容体の局在制御機構について詳細な検討を行い、候補タンパク質の発現抑制によりS1P1受容体の内在化が引き起こされ、S1P1受容体を介した細胞内シグナル伝達経路の活性化や細胞遊走、血管内皮細胞のバリア機能などの細胞応答が大きく損なわれることが明らかになった。2023年度は、血管内皮細胞の炎症反応に対する効果を検討していくとともに、遺伝子欠損マウスの作製などin vivo研究への展開を図る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
S1P1受容体の内皮細胞表面への局在を制御する候補タンパク質を同定し、候補タンパク質によるS1P1受容体の局在制御機構や細胞応答への影響の解析も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
血管内皮細胞の炎症反応に対する効果を検討していくとともに、候補タンパク質の遺伝子欠損マウスの作製などin vivo研究への展開を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な消耗品の購入を他の研究予算により支出することができたため次年度使用額が生じた。今年度分の予算と合わせ、研究計画に沿った消耗品の購入に充当していく予定である。
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