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2022 年度 実績報告書

非翻訳RNAによる脳機能発達制御メカニズムの統合的理解

研究課題

研究課題/領域番号 21K06834
研究機関名古屋大学

研究代表者

辻村 啓太  名古屋大学, 理学研究科, 特任講師 (60588474)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワードmiRNA / 進化
研究実績の概要

種特異的なmiRNAに着目し、神経突起形成や脳発達における役割を明らかにした(Akaba, Tsujimura(責任・最終著者) et al Front Cell Dev, 2023) 。miR-514a はこれまでにいくつかの癌で 機能解析が行われていましたが、中枢神経系における役割は未解明のままでした。我々は miR-514a が高度な知能や社会性を有する動物において保存され、ヒトやチンパンジーでコピー 数が特に増加していることに着目し、複数系統のヒト iPS 細胞由来神経細胞を用いて miR-514a が 神経細胞の神経突起形成や mTOR シグナル注 1)活性を亢進させることを見出した。miR-514 はマウスなどの齧歯類ゲノムに存在しないことや高度な知能や社会性を有するヒトや チンパンジーにおいてコピー数が特に増加していることから、複数系統の健常者由来ヒト iPS 細 胞を神経細胞に分化誘導し、機能解析に用いました。miR-514a の過剰発現は iPS 細胞から神経細 胞への分化を促進し、神経突起形成・細胞体サイズ・mTOR シグナル活性を亢進させることを発 見しました。逆に miR-514a の機能を阻害すると、これらの効果は消失し、神経発達は抑 制されることを確認しました。さらに霊長類の進化の過程で保存された領域の変異体を用いた実 験では、miR-514a の配列変化が成熟型 miRNA の発現を減少させることも見出しました。これら の結果は、miR-514a が神経細胞の発達に重要な役割を持ち、高次脳機能の発現に関与しているこ とを示唆しています。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] miR-514a promotes neuronal development in human iPSC-derived neurons2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Akaba, Satoru Takahashi, Keiichiro Suzuki, Kenjiro Kosaki and Keita Tsujimura
    • 雑誌名

      Front. Cell Dev. Biol

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fcell.2023.1096463

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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