研究課題
基盤研究(C)
生体内の様々なRNA分子は、厳密に合成と分解の調節を受けており、その異常が様々な疾患を引き起こす。CLP1は、RNAの5'末端をリン酸化するRNAリン酸化酵素の一つで、その遺伝子変異が橋小脳低形成症患者で発見されている。本研究では、ヒト患者で報告された変異を導入した変異マウスを作製し、変異マウスがヒト患者と同様の神経症状を示し、CLP1の変異が橋小脳低形成症の原因となっていることを明らかにした。
細胞生物学
ヒト橋小脳低形成症患者でCLP1変異が発見されていたが、CLP1変異が実際に橋小脳低形成症を発症させるかどうか不明であった。本研究により、CLP1変異が橋小脳低形成症の原因であることが初めて確認された。本研究で作製したCLP1変異マウスがヒト橋小脳低形成症患者の良い動物モデルになり、橋小脳低形成症の発症機序や治療戦略の構築の有用なツールとなると考えられる。また、RNAキナーゼの生理的意義の解明に寄与できると考えられる。