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2023 年度 実績報告書

動脈硬化病変におけるカスパーゼ11依存的パイロトーシスの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K06875
研究機関自治医科大学

研究代表者

唐澤 直義  自治医科大学, 医学部, 講師 (60631893)

研究分担者 高橋 将文  自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)
相澤 恵美  自治医科大学, 医学部, 助教 (80877621)
駒田 敬則  自治医科大学, 医学部, 講師 (90824730)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード動脈硬化 / 好中球 / パイロトーシス / カスパーゼ
研究実績の概要

動脈硬化病変における炎症の惹起機構として、コレステロール結晶やリン酸カルシウム結晶を危険シグナルとして認識するNLRP3インフラマソームの重要性が明らかになっている。NLRP3インフラマソームはカスパーゼ1の活性化を介して、炎症性サイトカインIL-1βの産生や制御された細胞死であるパイロトーシスを誘導することで炎症を惹起する。一方、カスパーゼ11はカスパーゼ1と類似した炎症性カスパーゼであり、同様にパイロトーシスへの関与が明らかになっているが、動脈硬化形成における役割は明らかではない。そこで、本研究ではカスパーゼ11が動脈硬化の進展に及ぼす影響について明らかにすることを目的として研究を行なった。Apoe欠損下にてカスパーゼ11変異を保有するマウスを作成し、ウエスタンダイエットを負荷時の動脈硬化形成について評価を行った。大動脈起始部の動脈硬化病変面積について、Oil-RedO染色により評価したところ、カスパーゼ11の変異下では病変面積に差を認めなかった。しかし、カスパーゼ11の変異は壊死性病変の面積を減少させるとともに、病変におけるコレステロール結晶の蓄積を抑制した。さらに、カスパーゼ11の変異は動脈硬化病変への好中球の浸潤を抑制した。一方で、好中球の制御に関わるTh17細胞や産生されるサイトカインであるIL-17の変動は認めなかった。さらに、RNA-seqデータの解析から、好中球の浸潤とカスパーゼ11の増加は進展した動脈硬化病変における特徴であることが明らかになった。また、進展した動脈硬化病変においては好中球由来のプロテアーゼであるMMP8,ADAM8等の増加を認めた。これらの発現プロファイルはヒト動脈硬化の不安定プラークにおいても認められた。カスパーゼ11は進展した動脈硬化病変において誘導され、好中球の浸潤と壊死性病変の形成に関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Caspase-11 deficiency attenuates neutrophil recruitment into the atherosclerotic lesion in apolipoprotein E-deficient mice2023

    • 著者名/発表者名
      Karasawa Tadayoshi、Komada Takanori、Baatarjav Chintogtokh、Aizawa Emi、Mizushina Yoshiko、Fujimura Kenta、Gunji Yoshitaka、Komori Satoko、Aizawa Hidetoshi、Jing Tao Cantona Billton、Matsumura Takayoshi、Takahashi Masafumi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 686 ページ: 149158~149158

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.149158

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NLRP3 inflammasome-driven IL-1β and IL-18 contribute to lipopolysaccharide-induced septic cardiomyopathy2023

    • 著者名/発表者名
      Fujimura Kenta、Karasawa Tadayoshi、Komada Takanori、Yamada Naoya、Mizushina Yoshiko、Baatarjav Chintogtokh、Matsumura Takayoshi、Otsu Kinya、Takeda Norihiko、Mizukami Hiroaki、Kario Kazuomi、Takahashi Masafumi
    • 雑誌名

      Journal of Molecular and Cellular Cardiology

      巻: 180 ページ: 58~68

    • DOI

      10.1016/j.yjmcc.2023.05.003

    • 査読あり
  • [学会発表] カスパーゼ11を介した好中球浸潤の制御と不安定プラーク形成との関連2023

    • 著者名/発表者名
      唐澤直義、駒田敬則、松村貴由、高橋将文
    • 学会等名
      第55回日本動脈硬化学会総会・学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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