研究課題
前年度に引き続き胃癌の手術検体におけるホルマリン固定・パラフィン切片を用いて、免疫組織化学染色を施行し、胃癌におけるREV7の発現の評価を行った。REV7の発現は腫瘍細胞の核への染色強度別に3段階で分類score化(0-3)した。前年度までの症例と合わせて胃癌167症例(男性117例・女性50例)を対象に評価し、それぞれの発現と予後等の臨床病理学的因子との関連を検討した。結果として未分化型癌が、分化型癌に比してREV7scoreが高い傾向を示した。リンパ管侵襲が陽性例は陰性例に比してREV7 soreが高い傾向を示した。さらにREV7score低値群と高値群に分類し予後解析をREV7score高値群は低値群に比して予後が不良であった。また腫瘍細胞増殖能とREV7発現の相関を評価する為に細胞増殖能のマーカーであるKi-67も同様に免疫組織化学染色を施行し、腫瘍細胞1000個当たりの陽性率をlabeling index(LI)として算出し、REV7の発現との関係を検討した。REV7score高値群は低値群の間に、有意なKi-67LIの差異は認めなかった。また現時点で有意な相関も確認できなかった。術前化学療法が施行された胃癌における術前生検組織を用いて、REV7の発現を評価し、術後の治療効果との関連を検討している。現在結果を解析中である。また培養細胞を用いた検討では、胃癌細胞株におけるREV7の発現の確認とREV7ノックアウト細胞の作製を進めている。
3: やや遅れている
胃癌の対象例数を増やしたため、術前化学療法進行胃癌の化学療法前の生検組織の免疫染色が遅れている。
今後は術前化学療法を施行した胃生検組織におけるREV7の発現と予後や治療効果などの臨床病理学的因子との関連を比較することで、胃癌におけるREV7の発現意義と治療効果との関連を明らかにする。培養細胞を用いた研究を行いさらに胃癌におけるREV7の発現意義を検討する。
免疫染色を施行する症例数を増やした為、胃癌培養細胞株を用いたin vitroの解析が遅れている。今後も胃癌培養細胞株を用いた解析を行う予定である為、使用計画に大きな支障はないと考えている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (1件)
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