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2021 年度 実施状況報告書

肺癌における膜型セリンプロテアーゼとそのインヒビターの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K06905
研究機関宮崎大学

研究代表者

田中 弘之  宮崎大学, 医学部, 助教 (90433060)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード肺癌 / 膜型セリンプロテアーゼ
研究実績の概要

非小細胞性肺癌におけるHAI-1の免疫組織化学的な膜発現状態と臨床病理学的事項について、検討した。症例は当院における非小細胞性肺癌131例胃の切除検体を用いた。手術検体を用いた検討であったため、Stage Iの症例が多い傾向にあった。腫瘍細胞におけるHAI-1の膜発現の評価に関しては、染色強度は評価せず、膜発現が腫瘍病変の50%以下と50%以上の領域に染色されるか否かで評価した。カプランマイヤー法における無病再発率に関する検討では、HAI-1高発現群において有意に低い傾向にあった。生存率においても、HAI-1高発現群において統計学的に有意に低い傾向であった。
肺癌培養細胞株におけるHGF系、LRP11、II型膜貫通型セリンプロテアーゼの遺伝子発現についてRT-PCR法を用いて検討した。HAI-2およびLRP11に関しては、検索した肺癌培養細胞株では(LC2. A549, HLC-1, Calu-3, PC14/PC9, LC1, LC-AI, MS-1, T3M-11, Lu134A, Lu135, Lu139)、すべて遺伝子発現がみられた。HAI-1では、LC2, HLC-1, PC14/PC9, LC1, T3M-11, Lu134A, Lu135, Lu139に遺伝子発現がみられた。以上の結果から、A549とPC14/PC9の肺腺癌培養細胞株に、CRISPR/cas9法を用いて、LRP11のノックダウン細胞株を作製した(シークエンスでノックダウンを確認済み)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

非小細胞性肺癌におけるHAI-1の免疫組織化学的な膜発現状態と臨床病理学的事項について、検討した。症例は当院における非小細胞性肺癌131例胃の切除検体を用いた。手術検体を用いた検討であったため、Stage Iの症例が多い傾向にあった。腫瘍細胞におけるHAI-1の膜発現の評価に関しては、染色強度は評価せず、膜発現が腫瘍病変の50%以下と50%以上の領域に染色されるか否かで評価した。カプランマイヤー法における無病再発率に関する検討では、HAI-1高発現群において有意に低い傾向にあった。生存率においても、HAI-1高発現群において統計学的に有意に低い傾向であった。
肺癌培養細胞株におけるHGF系、LRP11、II型膜貫通型セリンプロテアーゼの遺伝子発現についてRT-PCR法を用いて検討した。HAI-2およびLRP11に関しては、検索した肺癌培養細胞株では(LC2. A549, HLC-1, Calu-3, PC14/PC9, LC1, LC-AI, MS-1, T3M-11, Lu134A, Lu135, Lu139)、すべて遺伝子発現がみられた。HAI-1では、LC2, HLC-1, PC14/PC9, LC1, T3M-11, Lu134A, Lu135, Lu139に遺伝子発現がみられた。以上の結果から、A549とPC14/PC9の肺腺癌培養細胞株に、CRISPR/cas9法を用いて、LRP11のノックダウン細胞株を作製した(シークエンスでノックダウンを確認済み)。

今後の研究の推進方策

LRP11の蛋白発現について、肺癌培養細胞株からの蛋白抽出法および抗体に関して、条件設定を行っている。LRP11に関しては、未知の蛋白質であるため、阻害剤キットを用いて、どのシグナル伝達系が関与しているか、網羅的に検討する予定である。
HAI-1に関しては、蛋白発現を検討する抗体の検討を含めた条件設定は済んでいるので、肺癌培養細胞株に、CRISPR/cas9法を用いて、HAI-1のノックアウト細胞株を作製し、in vitroにおける増殖能や浸潤能、ヌードマウスを用いたin vivoにおける腫瘍形成能や生存率を検討する予定を考えている。

次年度使用額が生じた理由

LRP11抗体や核酸濃度測定器を購入予定であったが、昨年度内に注文ができなかったため、次年度使用額が生じてしまった。今年度は、各種消耗品や昨年度に購入予定であったLRP11抗体や核酸濃度測定器を購入予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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