我々は、マスト細胞が皮膚黄色腫病変を取り囲むように存在することを見出した。そして泡沫細胞に分化しうるヒトマクロファージ細胞株THP-1・U937およびヒトマスト細胞株LUVAの共培養を行い、THP-1・U937の酸化LDLの取り込みおよび形態的な泡沫細胞分化がLUVAの存在によって促進されること、この効果が細胞同士の接着に依存し抗ICAM-1中和抗体によってキャンセルされることも見出した。ヒト皮膚黄色腫病理検体においても、集簇する泡沫細胞とそれを取り囲むマスト細胞の境界において、ICAM-1の発現上昇がみられ、抗ICAM-1中和抗体が皮膚黄色腫の発症・進展を阻害しうることを示すと考えられた。
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