研究課題/領域番号 |
21K06914
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
長嶋 洋治 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10217995)
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研究分担者 |
加藤 生真 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80644939)
近藤 恒徳 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50301544)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腎癌 / 転座型腎細胞癌 / 透析関連腎細胞癌 / 酵素欠損型腎細胞癌 |
研究実績の概要 |
東京女子医科大学病院で切除された腎細胞癌症例組織標本を見直し、①転座型、②透析関連、③酵素欠損型腎細胞癌症例を抽出する。必要に応 じて分子生物学的検討を行って診断を確定、臨床病理学的性質を明らかにする。透析関連腎細胞癌に対しては背景の前駆、早期病変の形態、免 疫組織化学的性格付けを併せて行う。さらに前向きに新鮮凍結試料の蓄積や、培養細胞株の樹立を試み、さらなる研究に備える。インフォーム ドコンセントをベースとして網羅的ゲノム解析を行い、診断のためのバイオマーカー、治療標的の探索を行う。 腎癌の分類は分子生物学的知見をもとに大きく変わり、多くの新規組織型が加わった。本研究では新規組織型(特に、MiT転座型、透析関連お よび酵素遺伝子欠損を伴う腎癌)の臨床病理学的特徴と分子生物学的性格の解明を以下の方法で目指す。1)東京女子医科大学病院の腎癌症例 から収集した新規組織型症例の臨床病理学的性格を検討する。2) 転座型腎癌を中心に、凍結新鮮材料の確保、培養細胞株の樹立を行い、研究 のツールを揃える。3)新鮮凍結材料を用い分子生物学的解析を行い、特徴的な遺伝子異常を見出す。4)培養細胞株を用い、各種薬剤治療モデ ルを作製、有効な治療レジメンの確立を目指す。 転座型腎細胞癌は30例の症例がインフォームドコンセント付きで蓄積されている。20例ほどがbreak part FISH, ダイレクトシーケンシングを終了し、TFE3遺伝子の転座パートナーを同定している。後天性嚢胞腎随伴性腎細胞癌についても15例ほど、インフォームドコンセントつき症例が蓄積され、順次、RNAseqを行っている。FH欠損性腎細胞癌についてはコンサルテーションを中心に10例程度蓄積され、コンサルテーション先から学会発表、論文発表が行われている。SDH欠損性腎細胞癌は希少であるため、症例はほとんど経験されていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
転座型腎細胞癌は30例の症例がインフォームドコンセント付きで蓄積されている。20例ほどがbreak part FISH, ダイレクトシーケンシングを終了し、TFE3遺伝子の転座パートナーを同定している。後天性嚢胞腎随伴性腎細胞癌についても15例ほど、インフォームドコンセントつき症例が蓄積され、順次、RNAseqを行っている。FH欠損性腎細胞癌についてはコンサルテーションを中心に10例程度蓄積され、コンサルテーション先から学会発表、論文発表が行われている。SDH欠損性腎細胞癌は希少であるため、症例はほとんど経験されていない。
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今後の研究の推進方策 |
蓄積した症例の臨床病理学的知見をまとめて、国際英文誌に報告する。さらに、診断や予後予測に有用なバイオマーカーの探索を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は症例の蓄積、診断、インフォームドコンセントの取得などに時間を充てたため使用額が少額となった。次年度は検体を用いての解析や学会、論文発表を積極的に行うため、消耗品費、出張費などが増加すると考えられ、繰越金は解消される。
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