研究課題/領域番号 |
21K06923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
吉澤 明彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80378645)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺癌 / ネオアジュバント化学療法 / 主病理学的奏功率 / バイオマーカー / デジタルパソロジー / 人工知能 / 深層学習 |
研究成果の概要 |
主要病理学的奏効(MPR)は術前化学療法の効果判定として近年示された概念であるが、再現性の問題が指摘されている。本研究では当該症例のデジタル画像からMPRを予測する深層学習モデル(以下モデル)を開発し、実臨床におけるその有用性を検証した。対象症例(局所進行非小細胞肺癌)は125例,モデルには研究者らが開発した重み付けマルチスケール畳み込みニューラルネットワークを使用した。結果,モデルの精度,平均F1スコアは0.943以上であり、モデルで判定したMPR達成症例の無病生存率は優位によく,これは病理医の判定と同等であった。モデルは病理医の評価を支援し、患者の予後を正確に予測できる可能性がある。
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自由記述の分野 |
診断病理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、非小細胞肺癌は従来の白金製剤を主体とした化学療法に加え,分子標的治療薬(TC)や免疫チェックポイント阻害剤(ICI)など治療オプションが増えた癌腫でもある。その評価は治療後の切除病理標本における残存腫瘍の病理組織学的評価となりつつある。一方で病理医の負担は増し,また標準化も進んでいるとはいえない。今回我々が開発したDLモデルは独自性が高く,それを解消するツールとして実臨床において大きな成果をもたらす可能性があり,学術的意義は高いものと考える。また,TCやICIは多くの癌腫で利用され始めており,開発したDLモデルは癌腫を超え展開することのできる可能性を秘め、社会的意義は高いものと思われる。
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