研究課題/領域番号 |
21K06926
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
羅 奕 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (30633797)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マイクロRNA / 長鎖ノンコーディングRNA / がん転移 / エピジェネティック調節 |
研究実績の概要 |
2022年度は、がん転移に関連する長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)について検討を行った。HOXA11-AS lncRNAはホメオボックス(HOX)遺伝子に属し、悪性腫瘍の増殖と転移に関与する。タンパク質足場としての機能や、核内のクロマチンの再構成によりRNAタンパク質複合体を形成することでエピジェネティックな調節のメディエーターとなるとされている。しかし、その役割と作用機序は不明である。本研究では、HOXA11-AS はmiR-494をスポンジすることによってNQO1発現を上方制御し、EHZ2を介したH3K27トリメチル化によってNQO2発現を下方制御した。 NQO1の過剰発現はグルタミン分解を促進することにより悪性形質を促進し、NQO2発現の抑制は細胞内NADレベルを増加させることにより癌幹細胞性を増強した。 マウス腫瘍モデルでは、HOXA11-AS のノックダウンにより、腫瘍の増殖と肺転移が著しく抑制された。HOXA11-AS-NQO1/NQO2 軸は、新しいがん転移促進メカニズムと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はmiR-494の、第2年度はmiR-494のスポンジングに関連するlncRNAであるHOXA-11ASの作用機序を検討し、新規な腫瘍促進機序を解明することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、miR-494と乳癌ドーマンシー誘導との関連、ドーマンシー状態のがん細胞の標的化について検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
miR-494ベクターの納品が年度を超えてしまったため、次年度使用とした。
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