研究課題/領域番号 |
21K06926
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
羅 奕 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (30633797)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | トリプルネガティブ乳癌 / 長鎖脂肪酸 / エストロゲン受容体 / HER2 |
研究実績の概要 |
本年度は、長鎖脂肪酸によるトリプルネガティブ乳癌に対する影響、とくに受容体発現の変化について検討を行った。リノール酸、パルミチン酸、リノレン酸、オレイン酸の4種の長鎖脂肪酸を用いてMDA-MB231ヒトトリプルネガティブ乳癌細胞株を処理すると、いずれの脂肪酸でも濃度依存性に増殖抑制が認められた。興味深いことに、パルミチン酸により、エストロゲン受容体タンパク発現が誘導され、核内移行も認められた。蛍光染色では、核内エストロゲン受容体陽性細胞の増加が認められた。これに対して、HER2タンパク発現はオレイン酸、パルミチン酸により発現が誘導され、パルミチン酸によりより強い誘導が認められた。これに対して、蛍光染色では、細胞膜へのHER2発現は、オレイン酸の方が強く認められた。現在、これらの長鎖脂肪酸によるマイクロRNA発現の変化を、網羅的に解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長鎖脂肪酸による、トリプルネガティブ乳癌における受容体タンパクの発現誘導を見出したことは、新規かつ重要な知見である。今後の展開が有望である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、トリプルネガティブ乳癌における長鎖脂肪酸による受容体発現誘導のメカニズムを特にマイクロRNA発現の変化に注目し検討を行う。さらに、誘導された受容体発現が治療標的として有効かを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マイクロRNA発現の変化に関する網羅的解析が次年度に施行することになったため。
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