研究実績の概要 |
本研究は,肝外胆管癌における癌細胞の胃腸分化マーカーと癌間質における癌関連線維芽細胞 (cancer-associated fibroblasts, CAFs),腫瘍浸潤リンパ球 (tumor-infiltrating lymphocytes, TILs),腫瘍関連マクロファージ (tumor-associated macrophages, TAMs)マーカーの発現状態を調べ,肝外胆管癌の癌細胞と癌間質の関係を明らかにする.さらに,肝外胆管癌の予後を規定する癌細胞と癌間質マーカーの組み合わせを解明することを目的としている.現在,研究実施計画に沿って研究を進めており,胆管癌手術施行例の集積,HE標本全ての見直しを行い,組織型,脈管侵襲の有無,深達度,上皮内癌の有無などの病理学的所見を評価した.肝外胆管癌における胃腸分化マーカーの有用性を明らかにした先行論文と同様の症例集積の見通しがつき,また統計解析に足る十分な症例数が確保されている.なお,当初は,最も深部まで浸潤し十分な腫瘍量が含まれる代表切片を選択し,浸潤先進部のtissue arrayを作製する予定であったが,COVID-19感染拡大によりtissue array作製装置の購入が進まず,tissue arrayの作製は断念した.代表切片のブロックそのものを用いて検討するための切片の選定も済み,免疫組織化学染色の準備を進めているところである.
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