研究課題/領域番号 |
21K06938
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研究機関 | 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部) |
研究代表者 |
中澤 温子 埼玉県立小児医療センター (臨床研究部), 臨床研究部, 部長 (90227736)
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研究分担者 |
工藤 耕 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20455728)
塩田 曜子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児がんセンター, 医長 (30307532)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | juvenile xanthogranuloma / ALK / BRAF / NTRK / pathology |
研究実績の概要 |
対象:全身型(多臓器型)systemic 若年性黄色肉芽腫症(JXG)11例、皮膚以外の単臓器型 extracutaneous JXG 7例、皮膚限局型 cutaneous JXG 25例、対照群として 多臓器型ランゲルハンス組織球症 systemic LCH48例。 結果:免疫組織化学染色にて、BRAFV600E(VE1)は、JXGでは extracutaneous JXG 1例のみ(1/30例、3.3%)が陽性であったのに対し、systemic LCHでは9/24例(37.5%)が陽性であった。ALK陽性4例はすべてsystemic JXGで、解析可能であった3例は全例FISHでALK再構成が認められ、KIF5B-ALK融合遺伝子が検出された。panTRK陽性はsystemic JXGとextracutaneous JXGが1例ずつで、いずれもFISHでNTRK1再構成が認められ、1例はがん遺伝子パネル検査(FoundationOne)にてTPM3-NTRK1融合遺伝子が検出された。皮膚単独型についてさらに23症例を検討したところ、panTRK陽性例は3例で、1例にFISHにてNTRK1再構成が認められた。FISHにてNTRK1-3いずれも再構成が認められなかった2例は、細胞質のみにpanTRKが陽性であった。免疫組織化学染色は遺伝子解析を行うべき症例の迅速なスクリーニング法として有用で、FISHにて再構成を確認し、分子標的薬の適応を考える場合には、キメラ遺伝子解析を行う必要があると考えられた。
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