研究課題/領域番号 |
21K06954
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 史路 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20569016)
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研究分担者 |
小内 伸幸 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50323605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胎生期樹状細胞 / 母体感染 |
研究実績の概要 |
胎児は父親由来の抗原を発現しているが、母体内は特定抗原に対する免疫反応が抑制されている(免疫寛容)ために胎児は攻撃を受けずに妊娠が維持される。妊娠期の免疫寛容は制御性T細胞や制御性NK細胞によってコントロールされているが、一方で母体を介した微生物感染に対する胎児の免疫担当細胞や免疫反応については不明である。 本研究では従来の樹状細胞や前駆細胞の機能を評価する実験に加えて、胎生期樹状細胞を除去できる遺伝子改変マウスを用いて同細胞を除去し、ウイルス感染モデルや合成核酸を投与し、その後の免疫反応や生後の行動異常や自閉症発症に寄与するかどうか評価する。 2022年度は、妊娠マウスに細菌感染を模したLPSあるいはウイルス感染を模したPoly(I:C)を投与して胎生期樹状細胞の細胞表面マーカーが変動するか否か、および炎症性サイトカインの産生量が変動するか否かを検討した。結果、表面マーカーの一部はLPS刺激では上昇し、Poly(I:C)刺激では変動しなかった。サイトカイン産生量は一部の炎症性サイトカインがLPS刺激で上昇しているのが確認されたが、Th17誘導に関与するサイトカインの上昇は見られなかった。ただ、サイトカイン産生量を調べる手法については改善の余地があり、現在検討中である。また、胎生期樹状細胞が成体期樹状細胞と比較して機能的にどの程度類似しているかを明らかにするために、まずは純化した胎生期及び成体期の樹状細胞を用いて次世代シーケンサーを用いて樹状細胞の発現を解析した。結果、胎生期樹状細胞には成体期樹状細胞と異なった発現パターンを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胎生期樹状細胞は胎仔肝臓から純化しているが、ごくわずかしか存在しない細胞なので、発現パターン解析のための細胞数を揃えるために想定以上に時間がかかり、当初予定していた通りには進まなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、胎生期樹状細胞特有の発現パターンの意義を解明すべく、LPSやPoly(I:C)刺激などによるサイトカイン産生量の検出方法等の検討と解析を行う。また、妊娠マウスにPoly(I:C)を投与し、胎生期樹状細胞がどのような挙動を示すのかを解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象細胞特有の性質のため、計画通りの予定で進まなかったために本来当該年度に支出予定であったものが使用されなかったため。 次年度はその分も含め、申請書の計画通りに使用する予定である。
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