プロテアソームは、細胞内の不要なタンパク質を分解することにより、細胞の恒常性の維持や細胞内シグナル伝達、抗原のプロセッシングなど、様々な生命現象に関与している巨大なタンパク複合体である。そのサブユニット遺伝子に生じたバリアントによって、自己炎症性疾患を発症することが知られている。ヒト患者にて見出されたプロテアソームサブユニットPSMB9遺伝子バリアントを導入したマウスでは、リンパ球や樹状細胞が減少するなど多彩な異常が認められた。特にホモマウスでは、多能性前駆細胞の分化障害も観察された。これらのことから、プロテアソームは、血液細胞分化の初期段階を含めて重要な機能を果たしていると考えられた。
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