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2022 年度 実施状況報告書

癌関連線維芽細胞で発現するADAM9を標的とした治療法構築と新規標的分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K06958
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

望月 早月  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 講師 (80365428)

研究分担者 上野 秀樹  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 教授 (90597535)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードCAF / 低分化胞巣 / オルガノイド / ADAM12 / 大腸癌
研究実績の概要

当教室では、大腸癌浸潤先進部において、腺管形成のない5個以上の細胞からなる癌病巣を低分化胞巣(poorly differentiated cluster: PDC)と名付け、PDCは予後不良因子であることを明らかにしている。PDCは、対物20倍視野あたりの個数でスコア化したgrade分類は、高い転移予測能を有することが多施設研究において実証されている。しかしながらPDC形成機構は不明である。これまでの研究では、大腸癌組織検体からレーザーマイクロダイセクションでPDC部と非PDC部を採取し、ADAMs、MMPs、およびこれらのインヒビター(TIMPs)の網羅的な発現解析により、PDC部でのADAM12の高発現を見出している。大腸癌オルガノイドを用いた実験では、PDC grade 1に比べてPDC grade 3のでは膜型ADAM12mと分泌型ADAM12sの両方が有意に高発現していることが明らかとなった。また、PDC grade 1とPDC grade 3のオルガノイドにリコンビナントADAM12sを添加するとPDCを模倣したオルガノイドのCell spreadingを促進するデータが得られている。ADAM12は癌細胞膜上のSyndecanと結合し、PKCやRhoAを介してCell spreadingを促進することが報告されている。大腸癌では、Syndecan-2が高発現しており、Ezrinが高度のPDC grade症例で高発現することから、PDCオルガノドをCAFs培養上清中のADAM12を添加したところEzrinのリン酸化促進とADAM12/Ezrinの共局在が明らかとなった。これらの結果から、ADAM12sが癌細胞のSyndecan-2に結合してEzrinの発現やリン酸化を促進し、PDCを模倣したCell spreadingが促進する可能性が推定された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者が所属する教室では、大腸癌線維性癌間質反応の違いに着目してCAFsを単離・培養し、Immature型間質を持つ癌由来CAFsはADAM9sを高発現し、大腸癌細胞株の増殖と遊走を促進するとともに 同CAFsと混合移植した大腸癌細胞株の増殖・浸潤・転移をADAM9s依存性に促進することを証明した(Int J Cancer 150:1706-1721,2022)。また、食道扁平上皮癌組織から単離・培養したCAFsは、ECMの一つであるPeriostin (POSTN)を高発現し、CAFsで分泌されたPOSTNが癌細胞におけるADAM17の発現上昇と活性化により食道癌細胞の増殖・浸潤能促進に働くことを報告した(Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis 1869, 2023)。これらのことから、癌間質のCAFsに由来するADAMやECM分子に関する機能解析は消化器癌の病態解明に役立つのみならず、その制御が新規制癌治療につながると考えらる。

今後の研究の推進方策

PDCが高度な症例では、EGFRの発現も高い結果が得られていることから、膜型ADAM12mがHB-EGFをsheddingすることによりEGFRのリン酸化が促進し、細胞増殖に働いている可能性も推定される。さらに、大腸癌オルガノイドをマウス皮下への移植では、移植先においても原発巣の脱分化所見が保持されており、PDCの高度な腫瘍から作製したオルガノイドの移植片は、増殖能が長期間維持される結果も得られている。今後、PDC grade3症例で高発現するADAM12のin vitroとin vivoの詳細な機能解析により、現行の標準治療では予後不良であるPDC高度な症例に対してADAM12を標的とする治療効果が期待できると考えている。

次年度使用額が生じた理由

計画どおりに試薬の購入などに使用しており、年度末に残額の再確認ができていなかった。今後、このようなことがないようこまめに残額の確認を行いながら適切かつ有効に科研費を使用してまいります。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Prognostic impact of desmoplastic reaction in esophageal squamous cell carcinoma patients with neoadjuvant therapy2023

    • 著者名/発表者名
      Kouzu Keita、Kajiwara Yoshiki、Tsujimoto Hironori、Mochizuki Satsuki、Okamoto Koichi、Shinto Eiji、Kishi Yoji、Matsukuma Susumu、Ueno Hideki
    • 雑誌名

      Esophagus

      巻: 20 ページ: 474~483

    • DOI

      10.1007/s10388-023-00996-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Periostin derived from cancer-associated fibroblasts promotes esophageal squamous cell carcinoma progression via ADAM17 activation.2023

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Ishibashi, Satsuki Mochizuki *, Keisuke Horiuchi, Hironori Tsujimoto, Keita Kouzu, Yoji Kishi , Yasunori Okada and Hideki Ueno
    • 雑誌名

      BBA-Molecular Basis of Disease

      巻: 1869 ページ: 166669

    • DOI

      10.1016/j.bbadis.2023.166669

    • 査読あり
  • [学会発表] ADAM9s and periostin derived from cancer-associated fibroblasts are involved in alimentary tract cancer progression2022

    • 著者名/発表者名
      Satsuki Mochizuki
    • 学会等名
      2022 Korea-Japan Joint Symposium on Matrix Biology
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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