研究課題/領域番号 |
21K06959
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
宮崎 幸造 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (40372164)
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研究分担者 |
為広 紀正 国立医薬品食品衛生研究所, 生化学部, 協力研究員 (80597881) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Themis / 自然発症 / 皮膚炎 / 遺伝子欠損マウス |
研究実績の概要 |
令和3年度は、(1)Themis-KO/Balb/cマウスにおいて発症する皮膚炎の病理学的解析、(2)Themis-KO/Balb/cマウスおいて発症する皮膚炎の分子生物学的解析、(3)Balb/c背景Themisコンディショナルノックアウトマウスの作製を行った。(1)においては、炎症部位の病理切片作製、HE染色を用いた解析、さらに瞼の実体顕微鏡を用いた透過光観察より、Themis遺伝子欠損マウスに起こる瞼の炎症は、マイボーム腺の肥厚を伴った眼瞼炎である疑いが生じた。よって、乾癬及びアトピー性皮膚炎、眼瞼炎と皮膚科、眼科領域の病態も視野に入れて研究を遂行していく。現在、凍結切片法を用いた免疫染色による解析を進めているのと同時に、皮膚炎、眼瞼炎の両方でこの炎症を取り扱うとともに、本研究の懸案事項でもあった、この炎症が乾癬様、アトピー様、または、他の自己免疫疾患による炎症なのかについても進めていく。(2)においては、炎症部位より採取したmRNAを用い定量PCRを行ったところ、IFNgの発現は見られなかった。一方でIL-4の発現上昇がみられることからIL-4依存性の炎症ではないかと思われる。現在、サンプル数を増やし、より正確なデータ収集を行っている。また、IL-17やIL-22、TSLPといったサイトカインについても順次検証する。(3)においては、順調に戻し交配が進んでおり、令和4年度内に作製を終了し、成体になってからThemisを欠損させた場合での病態発症の検証に使用できる。 以上の事から、Themis-KO/Balb/cマウスにおける病態の解析、及び本年度以降への準備も順調に進んでいると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調には進んでいるが、炎症部位である瞼からのmRNAの採取に手間取ったため多くの因子の定量まで行っていない。しかしながら、本年度中には改善できるので、進歩には問題ない。
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今後の研究の推進方策 |
Balb/c背景Themis KOマウスの病態は当初皮膚炎という事で進めていたが、皮膚科及び眼科の有識者に意見を伺ったところ、眼瞼炎と考えられる部分もあると助言をいただいた。 よって、今後は皮膚炎及び眼瞼炎双方を考慮し解析を進めていく。
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